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元の図) 
 
上方の図のように、配偶者の有る男性は、そうでない男性と比較して、約10年長生きします。また配偶者の有る女性は約5年長生きします。それはなぜそうなるのでしょうか。

「結婚と男の健康 Marriage and men's health」(ハーバード大学医学部 Harvard Men's Health Watch Vol.14 No.12 2010)によれば、以下のようです。
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過去150年にわたる多くの研究により、結婚が健康に良いことが判明している。結婚している男性の健康は、離婚や配偶者の死亡によって単身となった男性の健康より、平均して良好である。最近の研究により、その詳細が分かるようになった。
 
結婚が健康によい影響を及ぼす効果は、25歳以上で結婚した場合の方が、それより若い年齢で結婚した場合より強く現れる。また、結婚している時間が長いほど、強く現れる。また、妻の学歴が高いほど、強く現れる。同棲や同性婚では、この効果は、ほとんど認めらない。

心血管障害のリスクが同じになるようにして、結婚している人と単身の人を比較すると、結婚している人では、単身の人より死亡率が46%も低下する。

結婚している人と単身の人とで、がんになる割合が異なるという証拠は無いが、結婚している人では、がんはより早期に発見され、しっかりした治療が行われる。結婚している人の方が、生存率が高い。

結婚している男性では、抑うつ症状がより少なく、人生により満足しており、認知機能がより良好で、アルツハイマー病のリスクもより少なく、血糖値もより良好である。

配偶者が死亡した場合、残った人の死亡率は、配偶者の死後7~12ヶ月後ごろに最大となり、2年以上の間、上昇したままになる。この死亡率の上昇は、残った人が男性である場合の方が、女性の場合より、2倍ほど大きい。

結婚している男性は、単身の男性より、食生活が豊かである。運動をより多く行い、定期的な医学チェックを受け、タバコをあまり吸わず、アルコールをあまり飲まず、危険な行為をあまり行わず、予防的なケアを多く受ける。

孤独、抑うつ、社会的な孤立は、死亡率を上昇させる。ある調査は、男性の66%は、主に妻から社会的な支援
を受け、男性の21%は他の人から社会的な支援を受け、男性の10%は誰からも社会的な支援を受けていないと述べている。ハーバード大の研究によれば、社会的に孤立した男性は、そうでない男性に比較して、心臓病による死亡率が82%も上昇する。

結婚していない男性は、食事に気をつけて、運動を行い、アルコールを控え、ストレスを減らし、医者によくかかり、社会的な絆(きずな)を作り、相互に支援する関係を作るべきである。

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Grenn Stanton 氏は、「小言の良い面」The Upside of "Nagging"という文章の中で、結婚している人の寿命が延びる理由について、社会的コントロール理論の立場から、次のように述べています。

小言が我々を健康にするのである。例えば「自分の分の野菜を食べなさい」とか「しっかり睡眠を取りなさい」とか「そんなに車を飛ばしてはダメ」とか「今日はいくつドーナッツを食べたの?」などである。こうした小言は、必ずしも歓迎されるわけではないが、確かに我々を健康にするのである。

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ニューヨークタイムズにも、「小言の効果:結婚している男は健康に優れている」The Nagging Effect: Better Health for Maried Men という記事があります。

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私の新しいページは、日常生活の改善について述べています。