父親の権利組織のうち、米国で最大である「父親と家族 Fathers and Families 」は改名して「親の全国組織 National Parents Organization 」になりました。以下は、この組織の「共同養育を標準にしよう Make Shared Parenting the Norm 」という文章の一部です。

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<我々の子どもが抱える問題>
事実として、非常に多く子どもは、父と母が同居していない家庭で育っている。家庭裁判所のシステムは、元来、敵対的なものであり、両方の親による交渉の妥結を妨げている。親であることをあきらめさせ、子どもたちに究極的に有害である。

CDC米国疾病予防センター、米国法務省、米国統計局は、次のように述べている。父親と離れて暮らす子どもは、子ども全体の30%を占めているが、12歳~19歳の自殺の63%を占め、州立の施設にいる子どもの70%を占め、高校でドロップアウトした子どもの71%を占め、薬物濫用センターの子どもの75%を占め、レイプした者の85%を占め、刑務所の若者の85%を占め、行動異常を示す子どもの85%を占め、ホームレスや家出の子どもの90%を占める。

<子どもは、両方の親を求める>
イリノイ州の Wake Forest 大学の女性学の教授であるLind Nielsen氏は、離婚の子どもは共同養育を求めていると報告する研究が17編あることを報告した。離婚の子どもが、一人の親に育てられることを求めていると報告する研究は、今のところ一つも無い。

<離婚後の共同養育は、子どもにとって最良である>
数十年にわたる社会科学研究が明確にしたのは、もし両方の親が、別居や離婚後に、日々の子育てを二人で分け合うのなら、まれなケースを除いて、子どもはより健全な社会的・精神的・心理的な発達を遂げる可能性がより強いことである。

Michael Lamb博士は、「国立子どもの健康・発達研究所」の「社会的・精神的発達部門」の責任者であるが、次のように述べている。「水曜日の夜と隔週の週末だけ父親に会う面会交流計画は、非同居親と1週間以上も会わないことの悪影響について知らないことを明白に示している。親権の配分を行う者は、片親を疎外するような養育計画を推進するのではなく、子どもが両方の親に関与するような養育計画を推進すべきだ」。

<共同養育は、養育費の支払い率を真に向上させる唯一の手段である>
アリゾナ州立大学の Sanford Braver は、共同養育が行われた場合には、養育費の支払い率が、97%に向上することを報告した。

<単独親権は、一つの社会的問題である>
全米女性機構の前の代表である Karen DeCrow 氏は、同機構の古くからの議論とは異なって、次のように述べた。「もし、家庭に離婚がもたらされるのであれば、私は、共同養育を原則的に採用することを熱心に勧める。共同養育は、男性や子どもに対して公正であるばかりでなく、女性にとっても最良の選択である。私は、25年以上にわたるフェミニズム活動を通じて、女性の権利や義務を観察してきたのであるが、私が得た結論は、共同養育は女性にとっても素晴らしいものであり、女性にも教育・訓練・仕事・キャリア・職業・レジャーをする時間を提供するということである」。
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A Look Backward and Forward at American Proffesional Women and Their Families」という本の29ページには、次のように書いてあります。
・共同養育と養育費の関係について、きちんと調べた調査は、Braver のものだけである
・Braver の調査によれば、単独親権における養育費の支払い率は80%であるのに対して、共同養育の場合は97%である
 
なお米国では、共同養育の定義は、たいてい、「子どもの時間のうち35~40%以上を片親が共に過ごすこと」となっています。単独親権は、それ以下の場合です。州によって35%であったり、40%であったりします。また、子どもの時間のすべてを勘定に入れる場合や、共に過ごす夜の数だけ数える場合があります。