(1)タネン教授は、男女によるコミュニケーション様式の違いを研究しておられます。
 
Youtubeで、タネン教授の動画を見ました。4分ほどの動画です。タネン教授は、この動画で次のように述べておられます。
 
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「性が異なる人と話をするのは、別の世界の人と話をするようなものだ。
 
男の子も女の子も、別々の世界で育つ。子どもは、同性の子どもと遊ぶ傾向がある。
 
男の子どもは、屋外で大きなグループで遊ぶ。男の子の高いステータスのグループは、低いステータスのグループを押しのける。
 
女の子は、親しい女の子と屋内で遊ぶことが多い。女の子は、話をすることによって、さらに親しくなる。女の子は互いの共通点を強調する。
 
話をするときの姿勢も、男の子と女の子で異なる。
 
5歳の女の子同士の会話では、イスを平行においても、女の子は、互いに正面を向いて、相手の顔をしっかりと見て話す。それは、10歳の女の子でも、15歳の女の子でも同じである。
 
これに対して、5歳の男の子同士の会話では、2人は横に並んで話をする。それは、10歳の男の子も、15歳の男の子も同様である。正面から相対せず、互いの視線を合わせることをしない。
 
話すときの姿勢は、大人になってもそれぞれ同じである。
 
男性は、ステイタス(上下関係)の観点から会話を行う。女性は親密さの観点から会話を行う。
 
男性の場合、相手と正面から向かい合えば、それは、どちらかが戦いを挑んでいるような意味合いが生じる。男性は、友好関係の場合には、正面から相対せず、視線も会わせない。
 
家庭で、男性と女性が会話をする場合、男性は、女性の方を向かないし、視線も会わせない。すると、女性は、「無視されている」、ないし、「自分の話は、上の空で聞かれている」という印象を持つ。
 
女性が2人、男性が1人いるような場面で、女性が発言している場合、もう一人の女性は、発言者の顔をみて、しっかりと笑顔で反応する。しかし、男性は、関係のない方向を見ている。」
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(2)オックスフォード大学の「家庭心理学」Family Psychology第5章は、結婚教育について述べています。以下のような内容です。

「結婚教育の内容
研究が支持しているのは、カップルは、結婚生活に成功をもたらすような技術を学ぶことができることだ。

・否定的な感情をうまくコントロールすること
・重要な事項について、戦いをせずに会話をすること
・ポジティブな関係を樹立し維持すること
・相手にしっかり関与すること
・相手との人間関係に対して犠牲を払うこと
・相手へ口出しをせずに、自分の側の責任を果たすこと
 
破綻にいたるカップルは、自分たちの問題について、互いを責める。そうではなくて、自分の側が最も良いパートナーになるように努力をする。
 
女性の希望は、通常は、もっと話をしてもっと親しくなることである。男性の希望は、争いや戦いを減らすことである。それゆえ、結婚教育の目標の一つは、カップルがもっと会話をするように手助けすることである。ただし、その会話を、戦うことなく、安全に行う必要がある。

結婚教育の効果
結婚時に、結婚教育プログラムのPREPを受講すれば、夫婦の人間関係についての満足が高まるが、その状態は、結婚後2年から5年ほど続く。
 
多くの研究が支持しているのは、このプログラムを受講すれば、カップルは、破壊的なやり取りのパターンを減らすことができることである。この効果は、受講後何年にもわたって続く。結婚教育プログラムを受講すると、否定的な感情をコントロールする能力が増す。

まとめ
結婚教育による争いの予防は、効果がある。社会は、健全な結婚から利益を受ける。政策決定者が、カップルの結婚生活がうまく行くように資金提供することは意味がある。連邦政府や各州政府のいろいろな部局は、結婚教育に資金援助をする機会を増やしており、幸福で健全で長続きする結婚生活をサポートする業務を増やしている。」