今日は、外務省のハーグ条約のシンポジウムを聞いてきました。ハーグ条約を締結後に、ハーグ条約が問題となる事例において、国際的な調停をどのように行うかというテーマでした。
講師のアン・マリー・ハッチンソン氏 Anne-Marie Hutchinson は、イギリスの Reunite という組織の代表者です。 Reunite は、国境を越えた連れ去りに対して、情報提供や調停を行っている組織です。同氏は、1999年にユニセフの「子どもの権利 弁護士賞」を受賞しています。また、2010年には国際弁護士会の「傑出した国際婦人弁護士賞」を受賞しています。
もう一人の講師の鈴木五十三氏は、弁護士登録後、米国に留学し、ニューヨーク州の弁護士免許を取得し、ニューヨークで1年間働いて、その後、日本国内で外国相手の事件を多く手がけてこられ、併任で国連(ジュネーブ)に勤務しておられました。
講師のアン・マリー・ハッチンソン氏 Anne-Marie Hutchinson は、イギリスの Reunite という組織の代表者です。 Reunite は、国境を越えた連れ去りに対して、情報提供や調停を行っている組織です。同氏は、1999年にユニセフの「子どもの権利 弁護士賞」を受賞しています。また、2010年には国際弁護士会の「傑出した国際婦人弁護士賞」を受賞しています。
もう一人の講師の鈴木五十三氏は、弁護士登録後、米国に留学し、ニューヨーク州の弁護士免許を取得し、ニューヨークで1年間働いて、その後、日本国内で外国相手の事件を多く手がけてこられ、併任で国連(ジュネーブ)に勤務しておられました。
その後、計8人によるパネル・ディスカッションが行われました。すべて、同時通訳付きでした。私は、同時通訳の機械を使わなかったところ、聞き取れたのは1割以下でした。しかし配布資料の英語は理解できました。
英国の Reunite の文書によれば、ハーグ条約に関する英国の国際調停は、当事者が合意した場合にのみ行われるそうです。また裁判所は、調停を強制することはできないそうです。英国の Reunite の調停は、2日間だけです。ハーグ条約における審議期間は、原則として6週間以内と決められていますから、時間的な余裕はありません。調停人は2人、2日間、3時間×3回で、(1ポンド140円なら)計21万円で、父親と母親で半額ずつの負担となります。
英国の Reunite は、離婚の問題を扱わないそうです。子どもがどこに住んで、誰とどのように会うのかを先にきめるのであって、離婚のことは後でゆっくり決めれば良いということでしょう。米国の各州へのアンケートでも、子どもの居場所や面会交流の件は、他の全ての案件に先立って決める州が大半でした。
また、英国の Reunite は、電話による情報提供を24時間行っているそうです。
例えば、次のようなFAQが書かれています。
問:「連れ去った親に、ハーグ条約に訴えると警告することは有効ですか」
答:「通常は有効ではありません。警告すれば、連れ去った親は、引っ越したり隠れたりするでしょう」
ドイツ人の弁護士の方によれば、ドイツでは、ハーグ条約締結後20年が経過し、国際調停を行うようになってから10年が経過したそうです。国際調停も、調停としてのメリットがあるそうです。当事者の希望を生かせるとか、人間関係が敵対的なものになりにくいとか、当事者が合意事項を守る率が高いというメリットです。
ドイツ人の弁護士の方は、「ハーグ条約が一つの武器になって交渉が進む」と述べておられました。もしハーグ条約が無ければ、連れ去った親は、知らん顔をして交渉に乗ってこないということです。
ドイツ人の弁護士の方によれば、ドイツでは、ハーグ条約締結後20年が経過し、国際調停を行うようになってから10年が経過したそうです。国際調停も、調停としてのメリットがあるそうです。当事者の希望を生かせるとか、人間関係が敵対的なものになりにくいとか、当事者が合意事項を守る率が高いというメリットです。
ドイツ人の弁護士の方は、「ハーグ条約が一つの武器になって交渉が進む」と述べておられました。もしハーグ条約が無ければ、連れ去った親は、知らん顔をして交渉に乗ってこないということです。
日本では、「ハーグ条約による国際調停」は、まだありませんが、家族関係の「国際調停」自体は、すでに1年間に、数百例程度行われているとのことでした。
ハーグ条約についての日本の法制審議会は、調停については、「現行の調停制度を使用する」と述べています。それだと、第1回めの会合を開くまでに6週間が過ぎるでしょう。また、英国のCAFCASSは、裁判所の組織には所属していませんが、日本の調停委員は裁判所から雇われています(裁判所の相場を最善のものとして押し付ける傾向がある)。
国際調停においては、インターネットを用いたTV電話(例えばスカイプ)が多用されているそうです。
一番のお勧めは、父親と母親でよく話し合って、何が子どもにとって一番良いかを明らかにすることです。世界の知恵と知識を学ぶことです。子どもを自分の道具にせずに、子どもが一番良いようにすることです。父親と母親でそれを実践することです。
追伸
国際調停においては、インターネットを用いたTV電話(例えばスカイプ)が多用されているそうです。
一番のお勧めは、父親と母親でよく話し合って、何が子どもにとって一番良いかを明らかにすることです。世界の知恵と知識を学ぶことです。子どもを自分の道具にせずに、子どもが一番良いようにすることです。父親と母親でそれを実践することです。
追伸
東京から帰ってから、映画「椿三十郎」を見ました。仲代達也はいつもやられてしまいます。