ジーン・シャープ氏について、Wikipedia の英語版を下のように訳して、日本語版に加筆しました。
略歴
シャープは、オハイオ州北ボルチモアで、キリスト教プロテスタントの牧師の息子として生まれた。社会科学を学んで1949年にオハイオ州立大学を卒業し、1951年に同大より社会科学の修士号を取得した。1953年から1954年にかけて、朝鮮戦争での良心的徴兵拒否により、9ヶ月間服役した。その後、会社社員として働いたり、盲目のソーシャル・ワーカーのガイドをしたり、アメリカの指導的平和主義者であった A. J. Muste 氏の秘書をしたりした。
1955年から1958年にかけては、ロンドンで平和主義者向けに毎週刊行されていた「平和ニュース紙」の副編集者であった。次の2年間は、オスロのアルネ・ネス Arne Naess 教授の下で、勉強したり研究したりした。同教授は、ヨハン・ガルトゥング Johan Galtung と共に、マハトマ・ガンジーの著書「サッティーヤグラハの規範」の影響を受けている。シャープは、1968年に、オックスフォード大学より、政治学の博士号を取得した。
シャープは、1972年より、マサチューセッツ大学ダートマウス校の政治学の教授であった。彼は、同時にハーバード大学の国際事情センターにおいても研究を行っていた。1983年に、世界中の紛争地域における非暴力運動を研究し実践することを目的として、NPOのアルバート・アインシュタイン研究所を開設した。アルバート・アインシュタイン研究所は、フォード財団、国際共和党研究所、民主主義のための国家的基金から資金援助を受けている。 彼は、2011年に、エルヒブリ平和教育賞を受賞した。また2012年には、正義生活賞と傑出民主主義賞を受賞した。
1955年から1958年にかけては、ロンドンで平和主義者向けに毎週刊行されていた「平和ニュース紙」の副編集者であった。次の2年間は、オスロのアルネ・ネス Arne Naess 教授の下で、勉強したり研究したりした。同教授は、ヨハン・ガルトゥング Johan Galtung と共に、マハトマ・ガンジーの著書「サッティーヤグラハの規範」の影響を受けている。シャープは、1968年に、オックスフォード大学より、政治学の博士号を取得した。
シャープは、1972年より、マサチューセッツ大学ダートマウス校の政治学の教授であった。彼は、同時にハーバード大学の国際事情センターにおいても研究を行っていた。1983年に、世界中の紛争地域における非暴力運動を研究し実践することを目的として、NPOのアルバート・アインシュタイン研究所を開設した。アルバート・アインシュタイン研究所は、フォード財団、国際共和党研究所、民主主義のための国家的基金から資金援助を受けている。 彼は、2011年に、エルヒブリ平和教育賞を受賞した。また2012年には、正義生活賞と傑出民主主義賞を受賞した。
ジーン・シャープは、「自分の考えは、マハトマ・ガンジーの影響を受けている」と述べている[4]。
シャープは、市民の不服従に関する著作の中で、紛争中に権力を行使する手段としての非暴力運動について、政治的で実践的な分析を行っている。
シャープの鍵となる考えは、「権力は一枚岩盤のようなものではなく、また権力を持つ者の固有の性質に由来するものでもない」ということである。シャープから見て、いかなる国家の政治的権力も、どのような統治機構も、支配者の命令に対する国民の服従に由来するのである。シャープの基本的な考えによれば、いかなる権力機構も国民の服従に依存しているので、もし、国民が服従しないのであれば、支配者の権力は消滅するのである。
シャープの見方によれば、実効支配している全ての権力機構は、国民を服従させる仕組みを持っている。国家は、国民を服従させるために、非常に複雑な仕組みを持っている。こうした仕組みには、警察や裁判所などの統制機構や、エジプトのファラオの神や大統領の尊厳や倫理的な規範やタブーなどの文化的な仕組みがある。さらに、投獄や罰金や追放などの制裁や、身分や富や名声などの報酬も、国民の服従に影響を及ぼす。
シャープは、「こうした隠れた仕組みに気がつくことは、国家に変革をもたらす突破口になる」と考えている。シャープは、Etienne de La Boetie (1530-1563) の考えを引用して、次のように述べた。「もし、ある国の国民が、権力の源泉は国民自身に有って服従しないことも可能であることに気がつけば、支配者は権力を奪われることになる」。
(2013.1.8 追記) (以下の内容を、上記の記事のあとに、付け足しました)
シャープが、非暴力の抵抗運動を勧めるのは、平和主義からではなく、戦術的な観点からである。「独裁政権側は、兵器、軍隊、秘密警察の全てを持ち合わせている。そんな状況下で武器を取るのは、敵の最強の道具で勝とうとするようなものだ」[6]。
またシャープは、抵抗運動は偶発的なものであってはならないと述べている。「独裁体制からの自由を達成するには、非常に慎重な考えと戦略計画が求められる」。「次のステップに進むためには、注意深く計算された行動が必要である」[1]。
またシャープは、抵抗運動は偶発的なものであってはならないと述べている。「独裁体制からの自由を達成するには、非常に慎重な考えと戦略計画が求められる」。「次のステップに進むためには、注意深く計算された行動が必要である」[1]。