2月18日(土曜日)に、あこがれの K net で話をしてきました。
そのとき使用したスライドです。
そのとき使用したスライドです。
話の後で、フロアから質問がありました。
「子どもから『会いたくない』と言われましたが、どうすればよいですか」。
私は、次のように答えました。(かなり修正してあります)
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そのことで、拒絶されたと思わないほうが良いです。子どもには、他に用事があるなど、会いたくない事情があるかもしれません。子どもに聞いて、子どもの都合に合わせるのがお勧めです。
親を拒否するのは、一つの可能性として、親の価値が良く分かっていない可能性が考えられます。たとえば「勉強せよ」と何度も子どもに言ったら「うるさい。あっちへ行け」と言われるようなことです。勉強の重要性を繰り返し教えるのは、親の仕事です。ねばり強く教える必要があります。子どもは、何も知りません。勉強の必要性も、親の有難さも分からないのです。
自分の命を犠牲にして子どもの命を救うのは、親だけです。時間やお金など、持っているものを全て子どもに提供するのは、親だけです。
私は、専門学校で5年ほど教えたことがあります。生徒の書いた文章を直してあげようと思って、1人に10分かけて直したことがありました。生徒は60人いたので、600分つまり10時間かかりました。それで日曜日が完全につぶれました。そのようなことを3回して、もう二度としまいと決心しました。生徒の書く文章が、どんなにひどくても、放置することにしました。
一人の生徒に10分という時間を割くことができないのです。講師は「授業」を提供するだけです。親なら、自分の時間を全て子どもに使うことができます。親にしかできないことがたくさんあります。
親というのは有難い存在です。近くにいて、時間でもお金でもエネルギーでも情報でも、必要なものを何でもくれるのです。その有難い存在を、拒絶したり軽く扱うのは誤りです。損です。親を味方として活用しないのなら、何を活用するのでしょうか。親の有難さが分からないのなら、それを子どもに教えなければなりません。成長するにつれて、いろいろな人から利益を受けるわけですが、親に感謝しないのなら、他人にも感謝しないでしょう。自分のために働いてくれる人に感謝して、その人を大切にすることを、子どもに教えなければなりません。
もう一つの可能性は、母親から強制されて「会いたくない」言っているという可能性です。「父親に会いたい」と母親に言うと、母親の機嫌が悪くなり、「そんなことを言うのなら承知しないぞ」と脅かされている可能性があります。
親が別居ないし離婚している子どもは、大きな精神的打撃を受けます。多くの場合、父親と会う時間が極端に減ります。子どもから見ると、父親と会いたいのに父親が会いに来てくれないように見えます。つまり、父親から捨てられたように見えます。
母親に頼んでも会わせてくれません。一番大事な頼みを聞いてくれません。父親のことを口にするだけで叱られます。母親からも、半分捨てられたということです。母親がボーイフレンドと会っているのを見ると、全部捨てられるのではないかという不安が生じます。
子どもは、生き伸びるために、やむを得ず、母親の指示に従うのです。母親の機嫌を損ねないために、大切な父親を拒絶するのです。
子どもは、このような地獄の中に暮らしています。解決の見通しもなく、相談する人もなく、一人で苦しんでいるのです。最もつらいときです。脅かされて、大切な人を拒絶させられているのです。
このような時に、父親の側から関係を絶って良いわけがありません。父親は、このような苦しみの中にいる子どもを助けなければなりません。子どもに対して強い愛情を持ち続けていることを、子どもに伝えなければなりません。言葉で一回言うだけでなく、繰り返しの行動で愛情を示すことが必要です。
会える回数が少なくても、できることはあります。子どもは、いずれ成長して、全てを理解する日が来ます。日本も、世界の先進国と同様に、共同親権に移行する日が来ます。今理解できなくても、後日理解できる日が来ます。
自分の側から身を引くのは、子どものために、最低で最悪です。親子の関係を切らない努力をねばり強く続けなければなりません。
苦しくても投げ出さずに、耐えて努力することを子どもに教えなければなりません。それは親の重要な役割の一つです。一緒に長時間を過ごすことだけが、親の役割ではありません。
親にしかできないことがたくさんあります。親は、子どもの発達に重要な役割を果たしています。「嫌いだ」と言われたくらいでメゲている場合ではありません。親としての重要な役割を果たさなければなりません。
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