(1)西谷祐子教授ハーグ条約についての文章(2011.10.25)を読みました。
西谷先生は、ハーグ条約の13条(子どもを返還しなくて良い場合)を限定して狭く解釈して、子どもを安全に返還することを勧めておられます。また、「アンダーテイキング」、「ミラー・オーダー」、「裁判官ネットワーク」などの機能を活用することを勧めておられます。また、日本人女性が外国で離婚する場合に、現状では連れ去りの危険があるとされて親権を失うケースがあるので、ハーグ条約を早く締結することを勧めておられます。

この文章は、法制審議会の中間取りまとめが作成された後で発表された文章です。法制審議会のサイトに、西谷先生が、ドイツ、フランス、イギリス、カナダの返還制度について調査研究された文章があります。
 
(2)Wikipedia のハーグ条約内のノートの末尾に加筆しました。このブログで以前に書いた内容と同じです。米国国内において、子どもと同居する親、または共同養育を行う親が、引越しをする場合には、距離によって裁判所の許可が要るということです。また、もう一人の親に対する事前の通知も必要です。
 
(3)Wikipedia のハーグ条約の項目に、以下の内容を加筆しました。2011.11.10のジャパンタイムズの内容です。このブログで、前回に書いた内容と同じです。

「2011年10月、日本の法務省はハーグ条約受け入れのための国内法の原案を作成し、一般からの意見を公募した。法務省の原案は、子どもの連れ去りが暴力的な配偶者から逃げる目的であった場合や、連れ去った親が誘拐について訴追される恐れがあるような場合には、子どもを返還する必要がないとしている。これに対して、アメリカ合衆国、カナダ、イギリス、フランス、オーストラリア、ニュージーランドの6か国政府は、共同で意見書を提出した。その意見書は、法務省の原案はハーグ条約から外れるものであり、子どもを返還しなくて良いのは、返還すれば子どもに「grave risk 重大な危険」が生じる場合だけであり、配偶者の暴力やその他の理由は、これに該当しないと述べている。」