「 Father and Child Reunion 父と子の再会 」のペーパーバック版を読みました。(著者本人による内容紹介があります)。
ワレン・ファレルは、男性と女性を対立するものととらえており、どのようにすれば協力できるのかという視点が弱いように思います。
ワレン・ファレルは、男性と女性を対立するものととらえており、どのようにすれば協力できるのかという視点が弱いように思います。
以下は、この本のうち、私が注目した内容です。最後の文は、ファレルの意見ですが、その他の文はファレルによる既存の研究の紹介です。
(1) 「研究によれば、子どもが父親と過ごした時間の長さが、子どもが大人になってからの他人と共感する能力を最も大きく左右する。」(p30)
(2) 「父親がいる家庭で育った子どもは、学校において数学と理科の成績が、より良い。」(p31)
(3) 「父親のいない家庭で育った子どもは、大学の入学試験の成績が、より悪い。」(p33)
(4) 「父親が子どもに関与すればするほど、その子どもは自分の人生で新しく出会う人々に対して、開放的で受容的で信頼に満ちた関係を樹立することが容易になる。」(p34)
(5) 「ニューオーリンズにある二つの病院の精神科に入院した未就学児童の80%は、父親がいない家庭で育った子どもであった。」(p34)
(6) 「アメリカ合衆国統計局によれば、母親だけと暮らしている子どもは、両親と暮らしている子どもと比較して、3.75倍も多く、感情や行動の問題を起こして、医療機関での治療を必要としていた。」(p35)
(7) 「子どもが薬物乱用を行わない最も大きい要因は、父親と密接な関係を持っていることである。」(p35)
(8) 「父親が教育を多く受けているほど、子どもの学校での成績と社会に出てからの業績に、良い影響を与える。」(p46)
(9) 「母親が単独で子どもを育てる場合には、遅い就寝時間や、不規則な就寝時間を、3倍も多く容認する。」(p47)
(10) 「子どもが母親単独で育てられている場合は、父親単独で育てられている場合と比較して、両親は9倍も多く争いをする。」(p48)
(11) 「州が共同親権の制度を取り入れると、2、3年以内に離婚率は低下する。」(p169)
(12) 「元夫は、元妻の育児を批判的に見る。それにより、育児を妨害されたという元妻の不快感は急速に増大する。」(p192)
(13) 「父親が誰かを調べるDNAテストは、生殖に関する男の権利として基本的なものである。」(p243)
(14) 「男と女が一たび子どもを持ったのなら、二人は等しく、その子どもの運命を導く権利を持ち、義務を負っているのである。」(p244)
同じ著者による本の邦訳 「男の不可解女の不機嫌」 を読みました。