現状で我々は何をどうすればよいのでしょうか。
 
(1)トルストイ
童話「イワンの馬鹿」において、イワンは真面目にコツコツ働いています。誰とも争いません。相手が欲しがるものは何でも、全てあげてしまいます。イワンもイワンの国の人々も、お金や兵隊によって動かされることはありません。
 
(2)ガンジー
剣の教義」という文章において、支配勢力との「非共同」を勧めておられます。何もしないのではなく、イギリスには協力せず、従わないということです。
 
コミュニケーションに関しても、見るべきものがあります。この文章の末尾で次のように言っておられます。「私は秘密は罪悪として嫌っている。試みに諸君は「非暴力的非共同」を行うてみられよ。然らば私が何等隠し立てをしていないことが分かるであろう」。
 
(3)キング牧師
「私には夢がある」という演説の中で、キング牧師は次のように言っておられます。
英文日本語訳Youtube)。(以下の引用は、駐日米国大使館による日本語訳です)。
 
「しかし私には、正義の殿堂の温かな入り口に立つ同胞たちに対して言わなければならないことがある。正当な居場所を確保する過程で、われわれは不正な行為を犯すことがあってはならない。われわれは、敵意と憎悪の杯から飲むことによって、自由への渇きをいやそうとしないようにしよう。
 われわれは、絶えず尊厳と規律の高い次元での闘争を展開していかなければならない。われわれの創造的な抗議を、肉体的暴力へ堕落させてはならない。われわれは、肉体的な力に魂の力で対抗するという荘厳な高みに、何度も繰り返し上がらなければならない。信じがたい新たな闘志が黒人社会全体を包み込んでいるが、それがすべての白人に対する不信につながることがあってはならない。なぜなら、われわれの白人の兄弟の多くは、今日彼らがここにいることからも証明されるように、彼らの運命がわれわれの運命と結び付いていることを認識するようになったからである。また、彼らの自由がわれわれの自由と分かち難く結びついていることを認識するようになったからである。
 われわれは、たった一人で歩くことはできない。」

世界の諸賢の知恵を借りようと思います。
 
しかし、ガンジー自身も「卑怯と暴行のいづれか一つを選ばねばならないとしたら、私はきっと暴行を勧めるであろう」と述べています(剣の教義)。そして実際に戦争に3回参加しています。また、自分が襲われた時に、子どもが居合わせたら、子どもには腕力を用いて自分を守ってくれることを期待すると述べています。武力や警察力を持たない国はありません。
 
しかし、逆にすべてが力関係であるわけでもありません。子どもへの教育など、愛情を通じてしか、伝えられないものもあります。
 
平和は、科学の実践であるべきだと思います。多くの人が仲良く共存できるための条件を調査研究し、それを実践するということです。例えば、どの子どもにも充分な食料と教育を医療を与えることを保証できれば、紛争の一部分は、解決されるでしょう。成人となった子どもは、感謝することでしょう。貧しさの問題に対処する必要があります。
 
また、「どうすれば人間は戦わなくて済むのか」という問いに答えるためには、歴史、コミュニケーション論、社会心理学(人間関係論)、進化論的心理学などの学問の成果が必要になるでしょう。
 
 現状の運動としては、法が改正されるのを首を長くして待っているということではありません。それだと何もしていないということです。
 
いかにトラブルが大きくても、少なくとも自分一人だけは、子どもの権利を条約を守り、子どもの権利を守るのだという決意と実行が必要です。それでなければ、世界の温かい人々が子どもの権利条約を決めてくれた意味がなくなります。ガンジーの不服従の運動にならったものです。