鳥飼玖美子教授の「英語公用語は何が問題が」を読みました。
この本は情報量が多く、正しい方向感覚を与えてくれる本です。
(1)鳥飼教授によれば次のようです。「コミュニケーション重視に明確に軌道修正したのが1989年学習指導要領改定からなので、英語教育が口頭スキル重視の実用英語にシフトしてから20年から30年は経つ」。
私は、多読目的で、中学の英語の教科書を3社×3年分、高校のリーダーの教科書を6冊購入しました。現在は、高校の文法の教科書は、無くなっているそうで、売られていませんでした。また、中学の英語の教科書は、内容の多くが英会話になっていました。書き言葉は、わずかでした。中1でも You are kidding. というのが出てきます。高度な会話文です。会話は、慣用的な表現が多く、難解です。
昔の英語教育でも、中学高校の6年間で、新聞に載っているような難しい大学入試問題が解けるようになるのです。それは素晴らしいことです。これまでの読解中心の英語教育でも何の問題もありません。しかし、6年間英語を勉強しても少しも話せるようにならないという不満があるのでしょう。海外旅行したときに買い物ができるようにして欲しいのでしょう。私は本が読めればよいので、読解中心を望みます。
(2)また鳥飼教授は次のように書いておられます。「國広正雄教授は只管朗読を推奨しているが、教授があれほどまでの英語力を獲得したのは他にもいろいろな勉強を試し、並々ならぬ努力を傾注した結果であり、単に音読だけをしていたわけではない」。
実は今回私は音読をしていたのですが、TOEICの成績は790から705に下がりました。もう音読は止めようと思っています。音読を嫌いになりました。
(3)鳥飼教授は、「英語はできないが仕事はできる人」と、「英語はできるが仕事はできない人」を比較しておられます。それは、無理な比較だろうと思います。英語ができない人は仕事もできないのではないでしょうか。
(1)鳥飼教授によれば次のようです。「コミュニケーション重視に明確に軌道修正したのが1989年学習指導要領改定からなので、英語教育が口頭スキル重視の実用英語にシフトしてから20年から30年は経つ」。
私は、多読目的で、中学の英語の教科書を3社×3年分、高校のリーダーの教科書を6冊購入しました。現在は、高校の文法の教科書は、無くなっているそうで、売られていませんでした。また、中学の英語の教科書は、内容の多くが英会話になっていました。書き言葉は、わずかでした。中1でも You are kidding. というのが出てきます。高度な会話文です。会話は、慣用的な表現が多く、難解です。
昔の英語教育でも、中学高校の6年間で、新聞に載っているような難しい大学入試問題が解けるようになるのです。それは素晴らしいことです。これまでの読解中心の英語教育でも何の問題もありません。しかし、6年間英語を勉強しても少しも話せるようにならないという不満があるのでしょう。海外旅行したときに買い物ができるようにして欲しいのでしょう。私は本が読めればよいので、読解中心を望みます。
(2)また鳥飼教授は次のように書いておられます。「國広正雄教授は只管朗読を推奨しているが、教授があれほどまでの英語力を獲得したのは他にもいろいろな勉強を試し、並々ならぬ努力を傾注した結果であり、単に音読だけをしていたわけではない」。
実は今回私は音読をしていたのですが、TOEICの成績は790から705に下がりました。もう音読は止めようと思っています。音読を嫌いになりました。
(3)鳥飼教授は、「英語はできないが仕事はできる人」と、「英語はできるが仕事はできない人」を比較しておられます。それは、無理な比較だろうと思います。英語ができない人は仕事もできないのではないでしょうか。
日本は情報の孤島にあります。日本語の範囲では、世界から入る情報は、ほんのわずかです。井の中の蛙です。英語ができないのにどうやったら仕事ができる人になれるのでしょうか。
私が興味を持っているのは次のことです。「人はなぜ離婚するのか」、「どうすればそれを防ぐことができるのか」、「親が離婚した子どもの精神的予後が悪いのはなぜか」、「どうすればそれを防ぐことができるのか」。欧米では、1970年代から膨大な量の研究が行われています。日本では、それについての情報がほとんど入りません。専門の職業と思われる人に聞いても知りません。弁護士に、「こうした分野を研究している日本人の研究者と、外国人の研究者の名前を3人ずつ教えて下さい」と聞いても無駄です。離婚させて高いお金を取ることが弁護士の仕事です。誰も自分の収入を減らすようなことはしません。自分で英語の文を読むしかないのです。
そういう立場の私から見て、英語ができないのに仕事ができる人というのは、有り得ないことです。研究成果は英語で書かれています。世界の知識や知恵を活用しなくて、どうして仕事ができる人になれるのでしょうか。日本国内で知識が0の人同士が話をしても、知識は0のままです。
芸術分野なら、英語は不要でしょう。また、自動車産業も、外車を分解して仕組みが分かれば、あとは「カイゼン」によって、安くてしっかりした車を作れば良いのでしょうから、その範囲では英語も不要でしょう。しかし、英語が無いと話にならない分野もあるのです。
(4)日本人の英語教師が書いた英語学習論というのがあります。この本もその1つです。日本人の英語教師は、「英語が答えである」という状況を良く理解していない可能性があります。
医者は、「英語が答えである」ことをよく知っています。たいていの事は、アメリカ政府機関の判断が正しいのです。数年前、厚生労働省は、視診と触診だけの乳がん健診を「効果が無い」として、これまでの判断を撤回しました。また、小児科で行われていた神経芽細胞種の集団検診も撤回されました。アメリカで否定されたことは、いずれ日本でも否定されるのです。日本語はまやかしで、英語が答えなのです。
自然科学や社会科学では、大げさに言えば「英語の能力が、その人の能力の全て」という状況が有り得ます。英語で最新の情報を収集できなければ、どうにもならない分野があります。野口教授は、英語教師ではありません。英語を道具として学問の習得や活用に使う方法を教えてくれています。
日本人の英語教師は、日本語と英語の狭間に立つ人です。日本語は特殊な言語ですから、日本人への英語教授法は、日本独特の文化です。「英語が答え」というわけではありません。ヨーロッパ言語は相互によく似ていて、シュリーマンの方法が日本で奏功するとも限りません。
鳥飼教授は、この本の中で、最も良い英語学習法は現在模索中であり、一つに決定されているわけではないと述べておられています。音読が良いとする國弘教授の勧めも、科学的真実というわけではなく、國弘教授の感想にすぎないということです。
(5)世界共通語が1つ必要です。現状では英語がそれです。差がますます開いて不公平だけれど、他にうまい方法もありません。
(6)未来産業は、物作りの産業ではなく、サービス産業であり、情報提供を行う産業です。情報の孤島にある日本が、他国に情報提供をすることはできません。日本がうまく行っている時ならともかく、現在の日本は多額の借金を抱えた暗い国です。返すあてもありません。日本の政治の仕組みや司法の仕組みは、他国に教えるような良いものではありません。むしろ、外国の良い仕組みを多く取り入れなければならない立場です。組織の仕組みや人間関係の仕組みについても、ネゴシエーション(交渉)、アサーション(意見表明)、リーダーシップなどの技法を学んで取り入れる必要があります。こうした知恵や知識を踏まえないのであれば、情報提供をしてもそれはあまり役に立ちません。
医者は、「英語が答えである」ことをよく知っています。たいていの事は、アメリカ政府機関の判断が正しいのです。数年前、厚生労働省は、視診と触診だけの乳がん健診を「効果が無い」として、これまでの判断を撤回しました。また、小児科で行われていた神経芽細胞種の集団検診も撤回されました。アメリカで否定されたことは、いずれ日本でも否定されるのです。日本語はまやかしで、英語が答えなのです。
自然科学や社会科学では、大げさに言えば「英語の能力が、その人の能力の全て」という状況が有り得ます。英語で最新の情報を収集できなければ、どうにもならない分野があります。野口教授は、英語教師ではありません。英語を道具として学問の習得や活用に使う方法を教えてくれています。
日本人の英語教師は、日本語と英語の狭間に立つ人です。日本語は特殊な言語ですから、日本人への英語教授法は、日本独特の文化です。「英語が答え」というわけではありません。ヨーロッパ言語は相互によく似ていて、シュリーマンの方法が日本で奏功するとも限りません。
鳥飼教授は、この本の中で、最も良い英語学習法は現在模索中であり、一つに決定されているわけではないと述べておられています。音読が良いとする國弘教授の勧めも、科学的真実というわけではなく、國弘教授の感想にすぎないということです。
(5)世界共通語が1つ必要です。現状では英語がそれです。差がますます開いて不公平だけれど、他にうまい方法もありません。
(6)未来産業は、物作りの産業ではなく、サービス産業であり、情報提供を行う産業です。情報の孤島にある日本が、他国に情報提供をすることはできません。日本がうまく行っている時ならともかく、現在の日本は多額の借金を抱えた暗い国です。返すあてもありません。日本の政治の仕組みや司法の仕組みは、他国に教えるような良いものではありません。むしろ、外国の良い仕組みを多く取り入れなければならない立場です。組織の仕組みや人間関係の仕組みについても、ネゴシエーション(交渉)、アサーション(意見表明)、リーダーシップなどの技法を学んで取り入れる必要があります。こうした知恵や知識を踏まえないのであれば、情報提供をしてもそれはあまり役に立ちません。
新しい付加価値を求めて、企業が英語を重視するのは当然です。
日本を真似することが多かった韓国は、2000年ごろより変わりました。TOEICで800点以上ないとHyundai自動車には入れないそうです。家族法も変わりました。大きな利益を得る企業もあるし、オリンピックも欧米並みに強くなっています。アメリカへの留学生も多く、Cristina も韓国人です。近いうちに、アメリカと相互に、関税を撤廃するようです。今回の指導者は経済出身の人であり、何をすれば良いかが分かるのです。日本は、韓国を先生として学ぶ必要があります。
(7)TOEICは、リーディングの問題自体は、大学入試問題と比べて、そんなに難しくありません。時間が足りないだけです。だからTOEICの試験に出てくるような、会社用語や日常生活用語を覚えて、早く読む練習をすれば、すぐに成績が上がるような気がします。それが受験生をTOEICに誘い込む恐ろしいワナなのです。
(8)北野武氏が例として挙げられています。「英語ができないが仕事ができる人」の例として挙げられているのではありません。「英語ができるがインタビューを英語では受けない人」の例として挙げられています。北野氏は明治大学工学部に入学後、通訳を目指した時期もあったそうです。現在は語学学校のCMをしておられます。北野氏も勝間氏も、「英語ができるので仕事ができる人」です。
(9)私が、若い時ならともかく、この年でまた英語の勉強をしようとしているのは、英語を読むのに時間がかかりすぎるからです。私の英語学習は、高校3年の時点で止まっています。それ以後、語彙はあまり増えていません。英語自体の勉強をもう少しした方が、全体としての効率が上がるでしょう。通勤時間が、鉄道マニアのように、1日に計4時間あるという特殊事情もあります。
今は、昼休みに「ニュースで英会話」を聞いています。鳥飼教授が解説しておられるテレビ放送の分ではなく、インターネットの分です。英語を聞き流すだけでは語彙は増えませんが、これなら、わずかずつでも語彙が増えます。
(10)鳥飼教授は、英語学習法について、次のように述べておられます。「自分にとって関心が持てる内容で、質の高い良い英文を多読し、たまには細部まで注意を払う精読も入れ、そして自分で英文を書いてみること。その前提となるのは自分の考えであり主張である」(p96)。私は、鳥飼教授の本と野口教授の本を完全に信じて、英語を勉強しようと思います。