国が行うインフルエンザ対策には、水際対策の他に、侵入されてから後の対策もあります。

個人においても同様です。ウイルスを自分の体に入れない対策の他に、侵入されてもウイルスを撃退する対策があります。それは、個人の抵抗力を高める対策です。

(1)栄養補給を充分にしておく
一般的に言えば、栄養状態が良ければ、感染症に対する抵抗力が増します。無理なダイエットは中止して、必要な栄養素を充分に摂取することが必要です。平均的な人が不足しているのは、魚、野菜、果物、カルシウムなどです。

(2)休息を充分にとる
休める部分は休んで、余力を残しておくことが必要です。体がインフルエンザウイルスと戦うには、それなりのエネルギーを必要とします。睡眠を充分にとって、体を休めて、免疫の力が充分に発揮できるようにしなければなりません。「もっと働け」ではなく「もっと休め」ということです。

(3)ストレス対策をする
ストレスも、体の抵抗力を弱める要因の一つです。トラブルを避けて、穏やかに生活する必要があります。長期的なストレス対策というのは、問題に立ち向かって少しずつ着実に努力することです。短期的には一旦目をそらせて楽しいことをすることです。

(4)早めにタミフルを服用する
今回のインフルエンザでは、高熱にならない場合もあるようです。発熱プラス倦怠感、あるいは発熱プラス体の痛みがあれば、すぐに医療機関を受診するのがお勧めです。インフルエンザの診断がつけば、すぐにタミフルを服用しましょう。リレンザも有効です。抵抗力が弱い人の場合は、37.5℃を超えたら、受診するのがお勧めです。

このような抵抗力を高める対策が必要です。

「今回の新型インフルエンザは、毒性が弱い」という意見があります。それは、即断です。日本の症例は、これまでのところ、高校生などの活動的で健康な人々が主です。抵抗力の弱い人々への感染はこれからです。実際、メキシコやアメリカでも、死亡しているのは、主に抵抗力の弱い人たちです。抵抗力の弱い人というのは、持病のある人、年少者、お年寄りでも抗体を持たない人、貧しい人たちなどです。

スペイン風邪や、ソ連風邪、香港風邪のときには、今のような状態が半年とか1年とか続いたようです。ある程度、長期の戦いになります。