「結婚についての誤った考え」という文章を読みました。
(元の英文です)

これは、米国ユタ州にあるブリグハム・ヤング大学のホームページ内にある10ページほどの文章です。著者のラルソン氏は、ブリグハム・ヤング大学の、結婚と家族療法の教授であり、結婚と家族療法のセラピストを25年間しています。

この文章では、まず結婚を3つの時期に分けています。(1)ロマンチックな時期、(2)幻滅の時期、(3)解消または適応の時期、の3つです。

次に著者は、結婚に関する誤った考え(神話)を列挙して、それを解説し、正しい考えを説明しています。

1.相手が私を愛しているのなら、私が欲しいもの、私が必要とするものを、必然的に知っているはずだ。(×)
これは、「超能力の神話」です。相手が私をいくら愛していても、私の欲しいもの、必要とするものを相手に伝えなければ、相手には分かりません。

2.私がどんな行動をしようとも、私の配偶者は私を愛すべきだ。(×)
「私でありさえすれば充分だ」という神話です。あなたの配偶者は、あなたの行動から判断して、愛せる分だけを愛するのです。

3.相手の悪い点を指摘すれば、相手は変わる。(×)
「相手を糾弾すれば相手は変わる」という神話です。もし相手の行動を変えるための方法を知っているのならば、それをすれば相手は変わるでしょう。しかし、多くの場合、悪い点をいくら指摘しても、相手は変わりません。

4.相手が私を愛していてもいなくても、私の行動は、私への感情に影響を及ぼさない。(×)
これは、「真空状態での愛」の神話です。私が愛情を込めて振舞えば、相手からの愛を深めることが可能になります。

5.私が相手について思うことを、良いことも悪いことも、言えば言うほど、相手は私を近くに感じて、相手の満足は深まる。(×)
これは「すべてをぶちまけるとうまく行く」という神話です。肯定的な感情を相手に伝えることは、相手の満足を高めますが、否定的な感情を伝える場合には、攻撃的にならないように配慮する必要があります。例えば、良いことを5つ伝えた後で悪いことを1つ伝えるなどです。

6,私が、相手に対する行動を変えるより先に、感情を変えなければならない。(×)
「自分の感情が先に変わる」という神話です。真実は次のようです。先ず、相手のために相手の喜ぶことをします。すると相手は喜んで、私の喜ぶことをお返しにするようになります。それで私の感情が変わり、愛の感情が深まります。行動が先で、感情が後です。

7.生涯を通じてロマンチックな愛情を維持することが、幸福を得るための鍵である。(×)
これは、「ロマンチックな愛だけが重要である」という神話です。結婚を維持するには、友情や利他的な愛も必要になります。

8.結婚生活では、全てのことについて、半々でなければならない。(×)
これは「結婚は半々の取引だ」という神話です。相手を喜ばせることに集中し、半分ずつではなく、自分が貢献できることを進んで行えば、二人の関係は強固なものになります。

9.結婚は私が必要とするものを全て満たす。(×)
新婚さんが信じやすい神話です。結婚が満たしてくれない部分については、他の適切な人が満たしてくれます。スポーツの仲間や、おしゃべりの相手などです。

10.カップルは、家庭のトラブルを秘密にして自分たちだけで解決しなければならない。(×)
「独力で解決すべきだ」という神話です。それは、多くの場合には失敗します。自分が信頼できる人の助力が必要です。

この著者は、The Great Marriage Tune-Up Book (2004年)という本を書いておられます。