日本にも陪審員の制度が取り入れられます。また司法試験の合格者数も年間500人から3000人へ増やされます。欧米型の司法制度に近づいています。

日本の輸出企業は、外国の司法制度を無視することはできません。莫大な賠償金を取られる可能性があります。反面、輸出企業は、外国の司法制度の良い点も分かるわけです。外国では、司法が正義を実現させようと努力しています。

予防医学には、司法との接点もあります。

エイズウィルスを含むのでアメリカで発売禁止になった血液製剤は日本に輸入されて多くの子供たちがエイズになりました。責任者の阿部被告には無罪判決が出ました。

タバコは肺がんを作り、毎年約10万人の肺がん患者が死亡していますが、「健康のために吸いすぎに注意しましょう」というような文だけで自由に販売することが容認されていました。日本のタバコ病裁判では、肺がん患者さんは敗訴しました。

最近、タバコの表示文章が変わりましたが、これはWHOの指示によるものです。

別の薬物依存症の患者さんに対しては、1回目では執行猶予つきの懲役刑判決が出ることが多いそうです。しかし、それが「底つき体験」にならなかった場合には、薬物依存症は治りません。法による脅しは無効です。江戸時代に島津藩では喫煙者を死刑にした時期がありましたが、喫煙者を減らす効果はありませんでした。科学的な知識に基づく正しい治療だけが効果があります。裁判所は、問題を解決する責務があります。

食の安全の問題で糾弾された人たちは、次のように反論するでしょう。「賞味期限を書き換えて、なんであかんねん。農林省の文書にも、場合によっては賞味期限を付け直しても良いと書いてあるで」。「何の実害も与えていないで」。「エイズが良くて、肺がんが良くて、何でわしらがあかんねん」。

家族法の分野でも同じです。日本の裁判所や弁護士は、家庭円満のための情報を提供していません。親が離婚した子どもの精神的な予後を改善させるための情報を提供していません。子どもの権利を守るのではなく、侵害しています。日本は子どもの権利条約を国会で批准していますが、裁判所は子どもの権利を守らないので、国際機関から注意を受けています。

監督官庁が、モラル・ハザードの発生点・原点になっているのです。

三権は分立しており、裁判所は人権を守る観点から、政府を修正する必要があります。この役割を果たしていません。裁判所が政府に反対したという話を聞いたことがありません。大津事件までさかのぼるでしょう。

日本の司法制度が外国に紹介されて外国で広まるということではありません。その逆です。西洋の陪審員の制度を取り入れて、法曹関係者の手の中にあった司法制度を、国民の手に取り戻すということです。任せておけないので、国民が直接監視するということです。