討論
(1)味付け
動物も人間も、味覚や嗅覚や視覚により、必要な栄養素を必要な分だけ摂取しています。このシステムは、通常は、有効に機能しています。自分の感覚に従って、食べたい物を食べれば、多くの場合には、それは体が最も必要とする栄養素を摂取しているということです。ただし、このシステムは、完全ではありません。不完全なので、いろいろな栄養障害が発生しています。
このシステムを妨害する要因があります。それは例えば、味付けです。味付けにより、本来の内容とは異なる栄養素が認識されます。これは、単に間違えたということではありません。例えば、今蛋白質を食べたい人がいるとします。この人が蛋白質の味付けをした澱粉を食べたとします。彼の感覚だけは、満たされます。つまり美味しいと感じます。しかし、必要な栄養素は摂取されないので、欠乏状態は続くことになります。それで、その澱粉をいくらでも多く食べることが可能になってしまうのです。
ポテトチップなど、コンビニで売っているお菓子の主成分は、澱粉や脂肪ですが、たいていグルタミン酸で味付けがしてあります。蛋白質であるかのように、偽装しているわけです。味覚をだましているのです。そういうお菓子は、過剰に食べることが可能です。「やめられない、止まらない」がキャッチフレーズのお菓子もあります。
肉に、生姜やタレで味が付けられている場合には、いくらでも食べられる気がします。味の付いた肉ならば、私は少なくとも100グラムを超えて食べることが可能です。しかし、煮るだけで味付けをしないと、肉を60グラムを超えて食べることは困難です。
薄味がお勧めです。一番のお勧めは、全く味付けをしないことです。味付けをせずに、素材の味を楽しむことです。そうすれば、今必要としている栄養素が何であるかが分かります。食品交換表の制約を守りながら、今自分が食べたい物を食べれば良いわけです。