<食事療法には危険が伴います>
食事療法というのは、何かを増やして食べて、何かを減らして食べるということです。それには危険が伴います。これは誇張ではありません。実際、アメリカのある町では、食事指導を受けた人では病気が多かったそうです。食事指導を受けた人のリスクは、喫煙をする人のリスクよりも大きかったそうです。
誤った食事療法を行えば、必要な栄養素が摂取できなくなる恐れがあります。必要な栄養素が摂取できなければ、欠乏症が起きます。必須な栄養素の欠乏が進行すれば、最終的には死に至ります。
例えば、明治時代の日本海軍にとって、脚気は非常に重大な問題でした。相当数の死者も出ています。西洋の「ノートルダムのせむし男」は、カルシウムやビタミンDの欠乏症であった可能性があります。地下の暗い所に閉じ込められて、粗末な食事しか与えられなければ、病気は悪化する一方だったでしょう。
逆の栄養過剰も問題を起こします。
食事療法は、本来は、栄養の欠乏と過剰を治すためのものです。しかしながら、その食事法で欠乏と過剰が改善する保証はなく、改善しているかどうかは簡単には分からないのです。例えば、動物は、栄養学を知らずに、食べたい時に食べたいように食べているのでしょうが、そのような食べ方と比較して、特定の食事療法を行って、健康の度合いが実際に向上しているかどうかは、簡単には分からないのです。多くの場合、その時に食べたいと思う物が、その時に体が必要としている物なのです。
一つ間違うと、食事療法は、栄養の欠乏や過剰をもたらします。過去に実際にあったように、欠乏症や過剰症は、生命を脅かします。
これは食事療法をするなということでなく、食事療法を正しく行わなければならないということです。