勝間氏の本に書いてあったお勧めの本を10冊くらい読みました。勝間氏がお勧めする本は、分類としては自己啓発の本が多いと思います。
例えば、「原因と結果の法則」という本では、「成せば成る」というようなことが書いてあります。「自分の努力の結果が自分に現れる」というような内容です。当然の主張であると思います。なんとなく日常に流されてしまいがちですが、時々はこのような本を読むのも良いことです。特に若い人は、自分が持つ無限の可能性を自覚すべきです。
しかし、こうした自己啓発本を一度読むことと、実際に社会的に成功することの間には、大きな隔たりがあると思います。勉強だけに限ってみても、自己啓発本を読めば自動的にTOEICで900点が取れるわけでもありません。勝間氏は、道具をそろえることを強調されますが、パソコンやオーディオ・プレーヤーを購入しても、それだけで900点が取れるわけでもないでしょう。血のにじむような努力を長期間続ける必要があります。それが一番大変なことです。
しかし、そういう努力を続けるに際しても、こうした自己啓発本を時々読むことは、有効であると思われます。また、英語の勉強の成果をTOEICで客観的に測定するなど、勝間氏が実践したような正しい方法で勉強することは必要なことでしょう。
IT時代となり、良質の情報が容易に入手できるようになりました。勉強の動機付け(モチベーション)の部分でも、また勉強の方法論の部分でも、全ての人がより良い方法を習得することが望まれます。それが可能になりつつあります。勝間氏の本は、そういう役割を果たそうとしています。
ただし、勝間氏が推奨する自己啓発本がいくら良い本であったとしても、所詮は一人の人の感想文に過ぎません。科学的な著作ではありません。自己啓発本に、具体的な解決法が書いてあったとしても、その解決法に従った結果が必ず良くなることが保証されているわけではありません。著者には良さそうに思えるというだけのことです。ですから自己啓発本は、主に動機付けとして利用するのが良いでしょう。