家庭内事故の予防

子どもにとっては、家庭内には危険な場所が多くあります。風呂場は非常に危険な場所です。
1歳から15歳までの子どもは、事故で多く命を失います。事故のうち、交通事故と溺水が特に多く発生します。溺水のうち、約半分はお風呂で溺れたものです。

小さい子どもがいる家は、特にお風呂には注意が必要です。風呂場で遊ばせてはいけません。小さい子どもが、風呂場に入れないような工夫(留め金など)が必要です。

しかしながら、このような注意は、なかなか母親の耳には届きません。恐怖を引き起こすような注意は、拒絶されます。また、注意を喚起するだけの事故対策は、時間の経過と共に忘却されます。

子どもが風呂場に入れない工夫のような、環境を変える対策が必要です。しかし、予防を熱心にする政府の部局は、ほとんどありません。

母親は、家庭内にどのような危険が待っているかを知りません。事故に関する情報をもっているのは、医者であり、政府です。医者や政府は、母親に説明する義務があります。しかし、日本の政府は、充分に義務を果たしていません。環境対策を充分に行っていません。

製造者から見れば、事故は使用者の落ち度が原因です。使用者から見れば、事故は製造者による欠陥が原因です。政府や裁判所は、製造者の立場に立っています。 



では、不幸にして、子どもの事故が起きたときには、関係者はどうすれば良いでしょうか。当然、救命に全力をあげるべきです。不幸にして亡くなってしまった場合にはどうでしょうか。その場合でも、医療関係者は、上記の点について充分に説明すべきです。子どもの事故は非常に多いということ、対策がうまくいっていないことなどです。事故防止運動に加わってもらいましょう。悲しみの作業grief workも必要でしょう。

事態を正しく説明すれば、母親が自責の念に強くとらわれることを防ぐ効果があるでしょう。
昨日、悲しいニュースが報じられました。
第一の悲劇を予防することは医者の責任であり、第二の悲劇を予防することもまた医者の責任です。
科学的な調査研究と、それに基づく事故対策だけが、事態を改善します。