全般的に読者に分かりやすく解説しておられます。
唯一問題があるのは、本の題名です。発がん物質に対する感受性は、年少であるほど強くなります。最も敏感なのは胎児です。がんの予防を「10代から」に区切る理由はありません。放射線予防も、子どもが小さいほど厳格に行う必要があります。水銀も、子どもが小さいほど影響が大きく出ます。「胎児のがん予防は、母親になる人の10代から始める」ということなら分かります。
おそらく、著者は「子宮頸部がんを早期に発見するには、10代から対策を始める必要がある」ことを強調したいのだろうと思います。しかしこれは、子宮頸部がんだけの特殊事情です。
発がん性も、催奇形性も、染色体のDNAの傷ということです。小さい子どもほど、細胞の活動は活発であり、DNAの複写に伴い、傷を受けやすくなっています。
だから、正確には「マイナス1歳からのがん予防」と言うべきです。