| 予防接種中止の経験 |
三種混合の予防接種が、中止されたことがあります。予防接種の副作用が社会問題化して、1974年2月より中止されたのでした。この中止の命令は、比較的短期間で撤回されたものの、予防接種率の低下はしばらく続き、数年後に百日咳の流行を来たして、20人~30人の死者が出たのでした。これにより、三種混合の予防接種の有害論は消滅し、再び全員に三種混合の予防接種がなされるようになったのでした。
http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k99-g40/k99_29.html
この予防接種の中止は、壮大な実験というわけでした。しかし、こういう実験は、薬物を販売する前に行うべきです。日本が世界と違うことをする場合の結末は、予想がつきます。
その後、三種混合の予防接種は改良され、副作用が軽減されています。
今回、タミフルが10歳から19歳で投与中止になっています。日本が世界と違うことをする結末は、これまでいつも日本の誤りで終わっているので、今回も多分そうだろうなと予想しています。そう思っていますけれども、10歳から19歳のインフルエンザ患者さんには、厚生労働省の命令通りにタミフルを処方していません。
アメリカ合衆国と異なっていても正当であることは、胃がん検診における胃カメラのように、全く無いわけではありません。しかし、その場合でも、英文を読むとそのような説明が書いてあります。例えば、「日本では胃がん患者が非常に多いので、内視鏡による胃がん検診が行われているが、アメリカ合衆国では胃がん患者が少ないので、内視鏡による胃がん検診は行われていない」というような説明があります。