市民グループ

中西教授が松井氏に訴えられた裁判は結審して、近いうちに判決になります。判決の日は、2007年3月30日です。
http://www.i-foe.org/
私は、被告側の意見文を書いています。
http://www.i-foe.org/defendant/o8/49.html
同文を、自分のホームページ上にも掲載しています。
http://www.geocities.jp/gef03555/opinion.htm

中西教授によれば、この裁判で中西教授を応援する文章を書いた人は、皆有能であるのだそうで、私も有能であることになります。

私の予想としては、この判決は棄却になるような気がします。また同時に、反訴も棄却されるような気がします。要するに、私は松井氏の負けを予想しています。

ところで、日本の裁判所は、タバコ病裁判において、「タバコは肺がんの原因かどうか分からない」とか「タバコの依存性は強くない」と言って科学的事実を否定しています。このように、生命や健康で最も重要であるタバコの問題で恣意的な判決を出している日本の裁判所が、より小さい問題であるダイオキシンの問題を正確に科学的に判断できるのかという疑問があります。平均的には、タバコにより寿命が370日短くなるのに対して、ダイオキシンでは寿命が1日短くなるのだそうです。おそらく、裁判官は、政府の様子をうかがって、判決をどう書くかを決めるのでしょう。そうして、松井氏敗訴の結論を導くのでしょう。

松井氏は、「科学者は危険を過小評価する誤りは許されない」などと言っておられますが、もしそうだとすると、健康に関する研究には無限のお金を注ぎ込まなければならなくなります。

リスク・コミュニケーションという言葉自体も英語です。リスク・コミュニケーションでは、市民グループと敵対せずに、説明して協力せよと述べられています。

松井氏の代理人の弁護士は、ダイオキシン国民会議の活動家です。ダイオキシン国民会議は、女性弁護士140~150人から成るようです。未知の物質に対する不安から出発しているのでしょう。母としての立場から、環境の安全を求めるのは当然です。健康問題には、いろいろな側面があり、法律家も当然関与すべきです。立法措置が行われるなど、運動としての成功体験もあって、こうした活動を育てたいと思っているのでしょう。

しかし、ダイオキシン国民会議は、以下の点で問題です。
(1)リスクに対する科学的評価を無視していること
(2)ゼロリスクしか容認しないこと
(3)他の大きなリスクを無視していること

(これらの点につき、後日また述べます)

法律家が扱うべき問題も多くあります。