キ:「いやあ、この格好で先頭集団に絡んで走ったら伝説になるかもしれないけどなあ…。」
ガ:「もらった記録集に過去の大会の記録が載ってたけど、あれに『デビルマン』って名前で載ったら伝説だよな。」
などという会話をしながらゴールを目指す。
この日の暑さにかぶり水を何度もしたデビルマン、靴にはかからないように細心の注意を払っていたものの、上から下まで水分はくまなく浸透する構造になっているデビルスーツではあまり意味が無い。
靴の内側から濡れ始めた足は、豆だらけになって激痛を伴っていた…。
それでもデビルは飲みながら走る。
エイドでは
「issaさん、奥武蔵の平和は守れそう?」
「なんとか紙一重で守りきれそうだよ…。」
なんて会話が飲みながら繰り広がられる。エイドの方にも本当にお世話になった。
「77キロなんて1人で走ろうなんてなかなか大変だよね」
「1万円で1日遊べて、食事も飲み物も用意してくれて、ビールまで飲めちゃう」
「しかも皆からは頑張れって声援まで貰えるんだから、たまんないよね。」
確かにウルトラの楽しさってこういうことなんだろうね、キングは流石に良いことを言う。
この後、苦しい時間帯でもキングもガッチャも伴走してくれる。デビルにとって、2人が24時間テレビの坂本さんのように感じられたのは言うまでもない。孤独に走るだけが闘いではない、3人で走れたことに本当に感謝しながら突き進んで行った…。
やがて、奥武蔵グリーンラインを下りおり、鎌北湖まで戻って来たデビルマンに手を振る人が。
…
…
…
相方&ジュニア&娘だ!!
応援に来るなんて言ってなかったのに、この日一番のサプライズ!
「とーちゃん、これ飲みな」
と言って差し出されたのは娘ご愛用の『ディズニープリンセス』の水筒に入った氷水。デビルは半分涙を浮かべながらその水を飲む。
美味い!!
いままでエイドで飲んで来たものの何よりも美味い。まさしくこれが力水だ。もう何も怖いものなど無い、最後の奥武蔵デーモンを倒すために、デビルは残っていた僅かなパワーを絞り出して闘いに挑む。
ゴールへ向けて走る3人組のバックに流れるミュージックは『サライ』。この日コース上で先回りしてカーステレオから音楽を流して応援してくれた方々にも手を振りながら、最後のコーナーを回った…。



(提供:ALL SPORTS)
ついに、灼熱地獄の奥武蔵の平和を守りきったデビルマン。
10時間22分21秒にわたる激闘の幕は降りた。
阿鼻叫喚の地獄の中で、ウルトラの醍醐味をまた知ったデビルマンはガッチャごんとT氏に感謝をしつつ、会場を後にするのであった。
ありがとう奥武蔵。来年もまた…。
<終わり>

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