グッド・ジョブ媚薬8 黙示録66 | 渡夢太郎家の猫

渡夢太郎家の猫

2008年 3月に蘭丸の2度目の子供ができました
これで、我が家は9匹の猫です

「まず、ウイルスの培養をしなくてはいけない、その為には
鶏の胎児の將尿膜の部分が必要になってくる」
「鶏の胎児って?中華料理に有ったような気がする。
気持ち悪いから食べた事ないけど・・・」
「うん、ベトナム料理のホビロン、フィリピン料理の
バロット、中華料理はマダオン、精が付くぞ」

世界中を旅した拓馬が言うと別な方向へ話が
進みそうだったので亮はそれを抑えた。
「つまり、ワクチンを作るためには有精卵が必要なんだ」
「結局、どれくらい時間がかかるの?」
小妹は相当な時間が掛かりそうな予感に不安になっていた。
「私の時代はワクチン100万人分で半年かかった」
元帝国製薬の代表であった拓馬は業界を熟知していた。

「じゃあ、今は?」
「今も変わりませんよ」
五郎は小妹の問いに首を横に振った。
「じゃあ、間に合わないじゃない。世界に60億人も
 人が居るのに半年で100万人分じゃ足らないに
決まっているわ」
小妹は亮の手を引いた。

「おそらく、森田はそれを十分承知しているはずです。
 このウイルスの特質を知っていて、ワクチン以上に効果のある
 対処方法を製薬会社か研究機関として情報を公開し
 利益を得るつもりです」
「ああ、テロリストの脅しでは無く堂々とお金を取る方法だな」
拓馬は亮の意見に賛同した。
「ただし、我々がその秘密を握って居なかった場合に限ります」
亮は自分たちが森田たちの秘密を知る事の危険を感じた。

「五郎君、申し訳ないが一刻も早くこのウイルスを分析してくれ、
 念の為に帝国製薬に100万人分のワクチンを作るように指示する。
 亮お前も協力をするんだぞ」
拓馬はかつての帝国グループの総帥の貫録を見せた。
「はい、もちろんです。でも敵からどんな妨害を受けるか心配です」
「それは私たち暗鬼に任せてください」
小妹は胸を張って言った。

「よし、このGS4は閉鎖して世田谷の秘密基地に移動する」
「かしこまりました」
五郎は深々と拓馬に頭を下げた。
「そう言えば亮、お前が研究していたIPS細胞の培養液の方は
 どうなった?」
「ええっ、もう聞いたんですか?」
「ああ、素晴らしい研究だと緑川所長に聞いたよ」
拓馬は笑いながら五郎の顔を見た。

「それはバイオエネルギーの緑藻の研究中、
 あまりのも細胞分裂の速さにそれを培養液に
 利用できないかと思っていたんです」
「なるほど、その培養液をワクチン製造に利用できないか?
 今、卵を使わないワクチンの培養方法は
 バクスター製薬のアフリカミドリザルの
 腎臓細胞由来の細胞株を使ったヴェロ社細胞技術しかない。
 もし緑藻を使った方法が有れば画期的だぞ」

「分かりました、やってみます」
亮が拓馬に答えると五郎は亮の尻を笑いながら叩いた。
亮の言った言葉はできると言う意味と知っている五郎だった。
「ところで五郎さん、僕の血液を輸血した桃華と
 蓮華はどう変化するんでしょう」
「どうですかね。大量に輸血した桃華さんは脊髄移植をしたと
同じ変化が出るかもしれませんよ」
「えっ、桃華は亮と同じ天才になるの?」
小妹は回復した桃華の事を思い浮かべていた。

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亮と小妹は後は拓馬たちに任せ小妹を連れて
八王子から真っ直ぐ銀座に向かった。
「小妹、今回蓮華と桃華がこうなったのは僕のせいだ、
 敵の事をあまり理解せず実弾での発砲を禁止した為に
 とり逃してしまった。僕は警察の身分証を返還しようと思う」
「美咲さんとの関係を切ってしまうの?」
「そういう訳では無いけど、今の日本警察では
 処理できない事は沢山とあると言う事だ」
「そうだね!」
小妹はついに亮は自分の世界に来ると思うとうれしくて
思わず亮の腕に手を回した。