デビルハンター亮 37 | 渡夢太郎家の猫

渡夢太郎家の猫

2008年 3月に蘭丸の2度目の子供ができました
これで、我が家は9匹の猫です

春菜は電話を切ると夫の裏切りを知り動けない体で

天井を見ながら大声を声を出して泣いた。

「許せない、許せない・・・・」

春菜が言うと部屋の中は澱みと湿気が湧き上がり

真っ暗な天井に多くの人のざわめきと顔が浮かんだ。


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千葉昭夫を調べた和子から美咲の元に電話が掛かってきた。

「和子さんどうだった?」

「はい、千葉昭夫は元山田組の構成員でかなり

 ギャンブルで借金があったようです。それに・・・」

「何?」

「千葉昭夫は江戸川高校なんです」

「えっ!あの本田徹と同級生って訳?」

「はい」

亮は本田徹と聞いて美咲の携帯に耳を近づけた。

「しかも2週間前から錦糸町のフィリピンパブやキャバクラで

 派手に遊んでいる昭夫が目撃されているようです」

「やっぱりね・・・」

美咲は昭夫が慰謝料を使い込んでいる事を確信した。


「和子さんの捜査が早いんですけど・・・」

亮は1時間足らずで目撃捜査が出来るわけないと思い

美咲に聞いた。

「それは、本田徹の兄貴本田和也を警察がマークしていたからよ」

「じゃあ、昭夫と一緒に飲んでいたのが本田和也ですか?」

「ええ、たぶん」

美咲は亮に向かってうなずいた。

「和子さん、ありがとう。また連絡をするわ」

美咲が電話を切ると亮は美咲に聞いた。

「じゃあ、慰謝料の5000万円は」

「ほとんど本田和也に取られてしまったんでしょうね。

 それでお金が無くなった昭夫は小野博を恐喝してお金を取ろうとしたのね」

そこへ樫村と小妹が走って戻ってきた。

「警視、千葉昭夫が昨日森岡紀子が勤めていた

 キャバクラチュチュに千葉昭夫が来て

 かなりもめていたそうです」

「千葉昭夫が池袋に来ていたの!」

それは昭夫がなぜ池袋に来ていたか美咲の以外の誰もが容易に推理できた。

「千葉は森岡紀子に小野院長との関係を確認するために

 店から後をつけた・・・そして事件が起きて紀子が苦しがっている

 時、バッグから携帯電話を盗んだと考えられますね」

「そう、携帯電話がなくなったのは彼女が死んだ事件と無関係、

鬼と関係が無かったわけよ」

美咲は樫村の問いに答えた。


「じゃあ、鬼が狙う次のターゲットは?」

小妹が腕を組んで宙を見上げた。

MP3が関わっている事故の加害者です。

 美咲さんすぐに事件をリストアップしてください」

「分かったわ」

美咲が和子に電話をかけてると亮は時計を見た。

「もう8時か。鬼が出現するまで後3時間しかないぞ。小妹!」

「分かっている、武器と戦闘服は用意して車の中に入っているわ」

「ずいぶん準備が早いな」

「ここは何処だと思っているのリトル中華街の池袋よ」

「なるほど、そりゃ凄い」

美咲が和子から話を聞くと亮に伝えた。

「亮、ここ一週間でMP3が原因で

 起きた事故が1件あったわ」

「それで被害者は?」

「老人が1人が駅のホームで死亡」

「加害者は?」

「犯人の男2人が逃走したわ」

「じゃあ、その2人を鬼が襲いますね」

樫村が断言すると亮が首を傾げ小妹に聞いた。

「小妹、鬼はどうやって犯人を見つけるんだ?」

「それは鬼の力じゃないかしら」

小妹は鬼の不思議な力は何でも出来るような話し方だった。

「鬼ってどんなパワーがあるんだ?僕は何も知らないぞ」

「私だって良く知らないわ」

小妹は亮なら必ず調べ上げる事が出来ると信じていた。

「美咲さん、その時の様子を教えてください」