デビルハンター亮 13 | 渡夢太郎家の猫

渡夢太郎家の猫

2008年 3月に蘭丸の2度目の子供ができました
これで、我が家は9匹の猫です

「お前は何者だ!」

遊一は女に声をかけた。

「鬼だ!お前たちが地獄と呼んでいる鬼界から来た」

女は手で遊一の柳葉刀を手で払った。

「鬼とは何だ?」

「そんな事知ってどうする。どうせお前は餌になるんだ!」

女鬼が話を終えると数メートル上から落ちてきた

魔美が女鬼の頭から縦に切りかかると

顔から胸に傷か付いた。


「ぎゃああ」

女鬼が悲鳴を上げると遊一は開いた口の中に

持っていた柳葉刀を口に突っ込んだ。

「ガブッ」

女鬼はそれを歯に咥え

遊一の刀は押しても引いても動かなくなった。

「ん!動かない」

「危ないわよ、手を離さないと」

「いや、こいつは刀を咥えたおかげでにっちもさっちも

 行かなくなっている。やる事は1つだ」

「なるほど、了解」

女鬼は口に入った刀を咥えたまま体を左回りに回転させると

刀から手を離さない遊一の体は遠心力で体を浮かせた。

遊一は女鬼が魔美と反対方向に向いた時

左手を離し体を広げると遠心力で女鬼の首に

遊一の体が絡みつくと女鬼は口から刀を放した。

遠心力で遠くに飛んでいくはずの柳葉刀は遊一の手に残り

その隙に女鬼の口に魔美が柳葉刀を突っ込んだ。

「ぐああ」

遊一の体重で女鬼は倒れ口に突き刺さった刀に

遊一はさらに体重をかけ女鬼の喉の奥に刀を刺した。

女鬼は苦しみながら転がり口から刀を吐き出した。

すると女鬼はゆっくりと立ち上がり

口から血を吐き出していた。

「おのれ、夜野礼司の弟よ。ただでは済ませない」

先ほど魔美が切った女鬼の顔面の傷が治ろうとしていた。

「遊一、暗鬼拳!」

魔美が大声で叫んだ。


「あ、暗鬼拳だって?暗鬼拳、暗鬼拳・・・・」

遊一の脳裏に老人の顔が浮かび老人の動きが目に浮かんだ。

「思い出した!」

回復した女鬼は遊一に飛び掛り、遊一はそれを避けると

横向きになって右足を前に出し左足を引いて構えた。


「鬼よ!人を喰う不浄な魂よ。我は命ずこの世から消えよ」


遊一は体の気を右手に貯めそれを柳葉刀に伝えた。

「暗鬼拳、破鬼!」

遊一は一歩前に踏み込むと金色に光り輝く刀は女鬼の腹を突いた。

すると先ほどまで皮の盾の様に硬かった女鬼の腹に

遊一の刀の先がズブズブと入っていった。

「馬鹿な、人間がこんなに強いとは・・・」

「我々は鬼を殺す闇組織。デビルハンター暗鬼!」

遊一はそれを抜くと水平に女鬼の横腹にあて

真っ二つに切った。

鬼女の体が爆発し血の雨で遊一を真っ赤に染めた。

「遊一!」

一瞬体が消えた遊一を心配した魔美が叫ぶと

そこから刀を持った遊一が出てきた。

「魔美、いや小妹!思い出したよ。僕の名は・・・」

「團亮。お帰りなさい」


小妹が亮に抱きつこうとすると亮はそれを止めた。

「小妹駄目だ。鬼の血を浴びた僕はこれから何が起きるか分からない」

亮は真っ赤に血で染まったワイシャツを脱ぐと胸に一本の傷が付いていた。

「あっ、胸に傷が・・・」

その傷を見た小妹はニコッと笑っていた。

~~~~~

病院の集中治療室に横たわっている男の

バイタルモニターに変化が出た。

それを見ていたナースはドクターを呼んだ。

「先生、急に心拍が安定しました」