デビルハンター亮 12 | 渡夢太郎家の猫

渡夢太郎家の猫

2008年 3月に蘭丸の2度目の子供ができました
これで、我が家は9匹の猫です

君島の見たルームミラーに女の顔が映り

目が真っ赤な目の女に驚き君島は急ブレーキを踏んだ。

すると女の体は前のめりに運転席と助手席の間に入った。

君島は慌ててシートベルトをはずしタクシーのエンジンを切ると外へ

飛び出した。

車内に残された遊一はドアノブに手をやると

まったく手応えが無くパタパタとしているだけだった。

「シュッ」

女の槍のような手刀が遊一の顔をかすった。

遊一はそれを掴み.思い切り手首の関節捻って

天井に向けるともう一方の手が遊一を襲った。

「何をするんです」

「お前の肝を喰わせろ!」

遊一はとんでもない話に一瞬からだが止まった。

「なんで肝なんか」

「多くの鬼を倒してきた夜野礼司の肝を喰えば

 私は鬼の世界を支配できる」

手刀が突然シートをぶち抜いて遊一の

わき腹をかすった。

「やばい!こいつ本当に人間じゃない」

「バキッ!」

遊一は運転席に移り飛び出して来た女の手を蹴ると

鈍い音が聞こえた。


「この狭い車内じゃ話しにならない」

遊一は運転席のシートの脇にあるレバーを引くと

後部座席のドアが開いた。遊一はドアとボディの間を狙って

運転席から飛び出した。

「待て!」

女は遊一の足を掴みズボンの上から噛み付いた。

うつ伏せのその瞬間遊一は膝を曲げ女の顎を蹴り上げ

這うようにタクシーの外に出た。

「ズボンを噛み切るなんてライオンかワニだ」

遊一は起き上がってタクシーの方を見ると

女の赤茶色に変色した体肉が削げ落ちまるでビーフジャーキーのようだった。

「夜野遊一お前も我々の敵か」

そう言うと女は遊一飛び掛ってきた。

遊一は女を交わし顔を殴ると

まるで皮の盾のように遊一のパンチを跳ね返した。

「痛てて・・・」

パンチでは手が痛くスピードのある女には蹴りは当たることなく

遊一はこんな怪物とどやって戦っていいかわからなかった。

「君島さん、警察を呼んでくれたかな」

遊一が油断すると女のパンチで遊一は飛ばされ

地面に転がされ次第に体力を奪われていった。

「誰か!武器が欲しい」

遊一は体中に傷を作って体を折り曲げていた。

「そろそろ食べごろだわ。死んでから心臓は喰えないからね」

そう言うと女が遊一に飛びかかり上に乗って

左手で肩を抑え心臓を狙って指を鳥の嘴した右手を高く上げた。

「だめだ」

遊一は諦めて顔を背けると

上に乗っていた女が弾き飛ばされた。


「あんた弱いね」

遊一の前には中国の柳葉刀を2本持っていた魔美が立っていた。

「そんな事言ったって、あいつ人間じゃない!」

「そんな事最初から分かっていたじゃない。信じないあなたが悪いのよ」

魔美そう言うと女がムクっと立ち上がった。

「まだ、生きているぞ!」

遊一がそう言うと魔美が遊一に柳葉刀を投げた。

「敵の体は硬い皮で覆われているのでこの刀でも切れないようね」

「どうしましょう?」

「それはあなたが考えて」

「ぼ、僕が」

遊一と魔美は向かってくる女を前と後ろから切りまくった。

「遊一!」

魔美が声をかけると遊一が柳葉刀の両端を持った。

そこに魔美が乗った瞬間、遊一は思い切り持ち上げると

魔美の体は空高く舞い上がった。

遊一は柳葉刀を右手に持ち替え、女に向かった。


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