グッド・ジョブ 媚薬 6部 160 | 渡夢太郎家の猫

渡夢太郎家の猫

2008年 3月に蘭丸の2度目の子供ができました
これで、我が家は9匹の猫です

「い、いやそうでもない」

「へえ、変わったなザック」

「ああ、亮さんに会ったお蔭だ。ビックになるにはまず父親の会社を大きくする事だ」

ザックは自分の道がはっきりと見えていた。

「ところでザック、儲けたお金どうする?」

「亮に配当を出して残りのお金で会社を作ろう、僕はあの人と仕事をしたい」

「うん、それが良い」

ケンも亮の底知れない力に感銘を受け亮と仕事がしたかった。


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「パパ、蓮華と桃華は朝早くここを発ったそうよ」

レストランのテーブルに着いていた栄三郎に奈々子が言った。

「本当か?昨日ガードしてくれたのに礼も言えなかったな」

栄三郎は寂しそうな顔をしていた。

「しかし、倉沢さん亮の周りにはいつも特殊な能力を持った人がいますね」

上原は常人ではない亮の行動に魅力を感じていた。

「うん、昨日の彼女たちは武道家でスポーツクラブのインストラクターをやるそうだ」

「はい、それにしてもすごい」

そこに祐希たちが栄三郎の座っているテーブルに来た。

「おはようございます」

3人は日本語で栄三郎たちに挨拶をした。

「お、おはよう」

栄三郎は前夜のちょっと生意気なアメリカ人の態度と違った

ザックに驚くと奈々子が祐希を誘った。

「さあ、一緒に食べましょう」

「昨日のカジノは儲かったかな?」

栄三郎は祐希に聞いた。

「はい、スロットで儲かりました」

「そうか。よかった、よかった」

栄三郎は祐希たちが数千万円のお金を儲けたとは思いもよらなかった。

「私たちは今日日本に帰るが海外の浄水場建設の話は前向きに検討するよ」

「倉沢さん、前向きの検討って断っている訳じゃないですよね」

祐希は日本人ビジネスマンが良く使う断り方を知っていた。

「違う違う。会社でしっかり検討する。約束するよ祐希君」

真剣な顔をして返事をして答える栄三郎に

祐希とザックとケンの3人は日本流の挨拶で頭を下げた。

「ありがとうございます。我々も努力します」

祐希たちは栄三郎に感謝するだけではなく亮に対して

面目を果たしたような気がしていた。

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亮がマギーをかばうと目前でクルーザーが止まった。

「おはよう、亮」

船の上から黒のビキニ姿の美喜が亮に声をかけた。

「あぶないなあ、美喜さん」

「だって下手なんだもの彼」

美喜が指差すとハンドルを握っていたのはフィリップ・コーエンだった。

「やあ亮、久しぶりだな」

デッキからフィリップがデッキから顔を出した。

「お久しぶりです、フィリップ」

亮は立ち泳ぎをしながらフィリップに挨拶をして

どうして美喜とフィリップが一緒に居るか考えていた。



「こっちに乗ったらどうだ」

フェリップが亮を誘うと亮とマギーは船尾からクルーザーに乗った。

「こんにちは、フィリップ」

亮がフィリップと握手をするとフィリップが亮の手を引いて船首へ引いた。

「おい、サラとやったそうだな」

「は、はいすみません」

亮はフィリップの娘と知らずマテリア新宿店のオープニングイベントの夜に

サラとオリビアと3人でやってしまい。亮は首に手を回されて青くなった。

「あはは」

フィリップはオドオドする亮の顔を見て突然笑い出した。


「サラの奴、また日本に行きたいと言って真面目に仕事をしている。

 がんばって私の跡を継ぎたいらしい」

「よかったですね」

亮は何と言って良いかわからなかった。

「話は変わるが日本から送ってくれたシャンプーをOEMで作れないか?」

「はい、もちろんできます」

「他には何ができる?化粧品は?」

「基礎化粧品なら作れます」

「わかった、すぐにテスト品を送ってくれ」

「わかりました、ブランド名はどうするんですか?」

「娘の名前を取ってサラにする。日本のCMでサラサラって言っていたそうだな」