「さっそくだけど仕事の話が有るの」
「分かりました」
亮はナターシャたちと2階のミーティングルームに入った
「まず、パイン材の件だけど明日神戸港に着くわ、着いた後どうすれば良い?」
クラウディアが亮に聞いた
「早いですね、すぐに白尾尚子さんに連絡を取ります。
それで支払いは?」
「アイザックが立て替えてあるからから彼に支払ってください」
「了解です、次回の取引はL/C(信用状取引)ですね」
「そうです」
亮は出来たばかりの会社でLCが開けるか心配だった。
亮は内線で和美に聞いた
「和美さん、うちの会社でL/Cできるでしょうか?」
「支払い分だけ預金がば大丈夫だと思います。後は銀行と話をしておきます」
「お願いします」
亮が返事をするとイリーナはシステム手帳を持って話した。
「次に私の方はロシア国際旅行社と話をして日本観光ツアーを
週2便組んでくれるそうです」
「すごい!イリーナありがとう。問題は日本からロシアに向けての
観光客の募集ですね」
「はい、ロシアは綺麗なところがたくさんあります」
「分かりました」
イリーナが話し終えるとナターシャが嬉しそうに亮に言った。
「石油の方はアイザックが今日五島商事で契約書に調印しているわ」
「あれ、ナターシャは一緒に行かなかったんですか?」
亮がナターシャに聞くとナターシャは悲しそうな顔をして答えた。
「ええ、通訳と弁護士が立会いだから私たち女性ダメだと五島商事から
断られました」
「そうですか、日本企業は女性がいると不謹慎だと考えますからね」
「そうなんだ」
「気にする事無いですよ、日本語を勉強して今度は通訳をしてください」
「ありがとう亮、優しいわね」
ナターシャの白く細い手が亮の手を握った。
「亮、翻訳が終わりました、チェックしてください」
一恵がデビッドの資料を翻訳して持ってきた。
「ご苦労様です」
亮は真剣な顔をしてページを捲り何ヶ所かチェックすると
「一恵さん、丸をつけた所を直したらOKです、終わったら
葉子さんのところにメールで送ってください、後で一緒に出かけましょう」
「分かりました」
一恵は直しがわずかでホッとしてすぐに修正に取り掛かり
亮と一緒に五島商事に行けることがとても喜んでいた。
亮は尚子の父親の工場を確認するために電話をかけた
「尚子さん、パインの木材が明日神戸港に着きます。どこに運べばいいですか?」
「早いですね。場所は兵庫県三木市なんですけれど、すぐに父に連絡をします」
「お願いします」
亮は新橋のホテルの件を尚子にはまだ言わなかった。
「亮、なるべく早く父と会って話をしてください」
「はい、来週お父さんとお会いして工場へ伺おうと思っています」
「ありがとう亮」
尚子は明るい声で電話を切った。
「亮、今夜引越し祝いをするから私たちの部屋に来てね」
「はい」
亮は返事をしたがまたウォッカを飲むのかと思うと
ため息が出た。
「うれしい」
3人が喜んで手を叩いた
「そうだ、西さんとマリーナも呼びましょう」
亮がそう言うとナターシャの顔が一瞬曇った。
「わかった、みんなで食事を作って待っているからね」
「はいじゃあ、僕は出かけます」
亮は階段を降りると玲奈に岩田観光とのミーティングの内容を
書き出すように指示をして玲奈と一緒にタクシーに乗った。
「後40分かまたお昼が食べられない」