グッド・ジョブ 媚薬 5部89 | 渡夢太郎家の猫

渡夢太郎家の猫

2008年 3月に蘭丸の2度目の子供ができました
これで、我が家は9匹の猫です

「どうしたの?」

美咲が驚いた

「はい、ダイヤを売るのがシャオメイのお父上なので直ぐ捕まると業界に

 悪い評判が立つので他の機会にお願いします。それに一文字は

ダイヤを賄賂として誰かに渡すようです」

「分かったわ、一文字が帰ってきたら張り付くわ」

「お願いします、無事に一文字が帰られたら」

「えっ?」

「今夜、一文字が香港マフィアに撃ち殺されなければ大丈夫です」

「今、そんなに緊迫した状態なの?」

「ええ、それでフレイザーさんとの話しは?」


「フレイザーと特別捜査官が直ぐにアトランタに飛んで捜査に

取り掛かってくれるそうよ」

「良かった」

亮は美咲とフレイザーが上手く連絡が取れてホッとした

「ところでパティって誰?」

亮はいきなりパティの事を聞かれて慌てて返事をした

「大学時代の友人です」

「そう、フレイザーが亮とパティの名コンビ復活と言っていたわ」

「あはは、懐かしい」

亮はパティの事を思い出して笑った

「そう、ずいぶん親しいのね」

美咲はパティに嫉妬していた

~~~~~~


一文字はエアポートエクスプレスの九龍駅で千野と会った

「お疲れさん、千野君」

「お疲れさんです、会長」

「さっそくだが両替商の所へは?」

「はい、シャングリラホテルで待っているそうです」

「大丈夫なんだろうな?」

「大丈夫です、こっちが見せたHSBCの小切手が本物のと分かった時点で

 300億円を今夜指定の場所に運んでそこで交換です」

「分かった」

「コンテナに積んで出航するまでの間、松川組を通して頼んだボディガード付きます」

「準備周到だな」

「はい、彼らはかなりの武装をしていますから安全です」

「そうかじゃあ、任せよう」

一文字は千野を信じて任せた

~~~~~~

シャングリラホテルの908号室スイートルーム

椅子に文明と亮が並んで座りその向かい側に両替ビジネスの責任者

呉青玄が座っていた

「呉、通訳は?」

文明は呉青玄に聞いた

「はい」

呉は立っている女を呼び寄せると

「このステラが日本語をしゃべれます」

「うん、18億円の手数料を貰うんだからなしっかりした通訳を用意しないと」

「はい、おっしゃる通りです。ナンシーの通訳は完璧です」

呉は自慢げに笑った


「それで今夜までに300億円準備できるか?」

「はい、前もって連絡があったので間に合いました」

「うん、良くやった」

亮の前では良く笑う文明だが呉の前では厳しい目をしてうなずいた

「ありがとうございます」

呉が文明に頭を下げると

「我々は後ろで見張っているから言われた通り進めてくれ」

「はい」

そこに一文字から部屋に電話がかかってきて呉が電話に出た

「一文字がロビーに着いたそうです」

呉が文明に言った

「うん、分かった」

文明は亮に合図を送ると黒いスーツ姿の2人は真っ黒い

サングラスをして立ち上がり呉の後ろに立った

「文明、僕は後ろの方に立っています」

「うん、一文字の後ろに立てばばれないだろう」

「はい」

亮は返事をして入り口のドアの前に立った

そこにチャイムが鳴ると亮はドアを開けて頭を下げた

「いらっしゃいませ」