グッド・ジョブ エピソード0 留学編47 | 渡夢太郎家の猫

渡夢太郎家の猫

2008年 3月に蘭丸の2度目の子供ができました
これで、我が家は9匹の猫です

「團さん、ありがとうございました」

純子が礼を言うと

「いいえ、それよりアメリカを嫌いにならないでください」

「はい」 

純子は小さくうなずいた。


亮は純子と別れると何事も無かったように車をボストンに向かって走らせた

しばらくすると

「ああ、シカゴとベルリンと美空ひばりのCD・・・」

亮はハンドルを握ったまま頭を擡げた

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「フレイザー警視、ジェフ・ネルソンはルイスに金を貰って

白尾尚子を誘拐したそうです」

パーカー刑事がフレイザーに報告をした

「やっぱり亮の推理どおりだった」

フレイザーが呟くとパーカー刑事が

「フレイザー警視、CDを投げて犯人を捕まえるなんて凄いですね」

「あはは」

フレイザーは笑うだけだった


「通訳の日本人が帰ってしまって稲田純子の聴取が出来なんですが」

「もういいじゃないか、無事に救出したんだから、それより2人の死体は?」

「ルイスは少女コレクターだったようです。他にも死体があるか調べています」

「気の毒にな」

フレイザーは無事に白尾が救出された事で亮に感謝をした

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朝の4時にボストンに戻った亮は授業を休むことなく

授業に出席をし、夕方にボストン警察に呼ばれた

「亮、CDを持ってきたぞ」

「ありがとうございます」


「白尾尚子は大丈夫だ、薬を打たれてあまり記憶に無いらしい。

 友達の稲田純子もルイスの家の中の様子も知らないままだ、よかったな」

「はい」

亮はその話を聞いて充分満足だった

「それで、ニューヨーク市警のほうで何か礼をしたいらしい」

「えっ、話したんですか?僕の事を」


「しょうがない、CDを投げて人を倒すなんて忍者でもなければ出来ない芸当だ」

「そうですね、来週ニューヨーク市警の署員にBig Grillで僕の作った

 メニューを食べてもらうように言って下さい」

「わかったそれは私のほうから頼んでおく。

 亮、謙虚にするのも良いが感謝状は貰ってお

けあまり断るのも嫌味に感じられるぞ。ここはアメリカだ!」

「わかりました」 


「遅くなったがボストン警察も感謝状を出すつもりだ、

ニューヨーク市警には負けたくないからな」

「ありがとうございます」

OK、私は君と知り合えた事を誇りに思う」

フレイザーは亮と硬い握手をした

「警視、お土産食べてください」

亮が袋を渡すとそれを見たフレイザーは

「何だテニスボールを食わせるつもりか?」


「あはは、犬みたいに口にくわえたまま走らないでください」

「ありがとう、妻と一緒に食べてみる」

「よろしく」

亮がフレイザーの部屋を出ようとすると

フレイザーは思いついたように亮に声を掛けた

「亮!」

「はい」

「また事件が有ったら手伝ってくれ」

「お断りします」

亮は直ぐに答えた


「なぜだ?」

「ラケットが壊れます」

「あはは、じゃあ感謝状と一緒に10本ほどラケットをプレゼントしよう」

「わかりました、日本人からみの事件があったらお手伝いします」

亮は腰を深く折って丁寧に礼をしてフレイザーの部屋を出て行った

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フレイザー警視が自分の部屋にミッチェル刑事を呼んだ

「ミッチェル刑事、これから日本人の事件や相談があったら

 團亮に依頼してくれ」

「でも彼は留学生ですがいいのですか?」

「もちろん、彼を信じてやってくれ」

「了解しました」

「君は知らないだろうが、彼が5月にハーバード大を救った男だ」