「うふふ、少ないけどうち(警察庁)の方
からあなたのお給料は払います」
「本当?」
「もちろん」
「えへへ」
亮はうれしそうな顔をした
「そんなにうれしいの?」
「はい、ガンダムが買える」
「ガンダム?」
豪華なファーストクラスの夕食を食べた
美咲たちはお腹がいっぱいになってウトウトとしていて
亮はビデオを見ているとアナウンスが聞こえた
「機内で急病人がいます。お医者さんか医療関係の方が
いらっしゃいましたら近くのアテンダントにお知らせください。
繰り返します・・・・」
「亮、急病人だって」
美咲が声をかけた
「うん、言ってみますか?」
亮は手を挙げて秋山に言うと
「ありがとうございます。今お医者さんが見つかりました」
「そうですかそれなら」
亮はまたビデオの続きを観た
後の席では四人の病人が苦しがっていた
「これは食中毒ですね。抗生物質を飲ませるしかないでしょう」
「先生、機内には抗生物質がありません」
「それじゃ無理だ、私は外科医だ」
医師は両手を挙げた
秋山が亮のところへ走ってきた
「團さん助けてください」
「はい、やはり」
亮は機内持ち込み用のバックを開けると
小さな黒いバッグ手に持って
「みんな手伝ってくれ」
「はい」
「亮待って、めがね」
亮は林玲から受け取った黒縁のメガネをかけて
エコノミークラスのシートで苦しがっている
四人のところへ行った。
そこに医師が近くのシートに座っていた
「先生、発病が早いですね」
「うん、約一時間だ、君は?」
「救急救命士の資格を持っています」
「そうか」
医師は少しホッとしていた
「すみません、この人たちの食べた食事は?」
亮はエアアテンダントに聞いた
「豚の腸詰と魚料理です」
「他に食べた方は?」
「18人います」
「その方に症状を聞いてください」
「はい」
「食べた物が腸詰だとボツリスヌス菌の可能性が」
「うん」
医師は仕方なし返事をした
「先生、問診をお願いします」
「わかった」
医師は18人の問診を始めると
「すみません、四人の熱は?」
亮はアテンダントに聞いた