ホラー小説 地獄タクシーⅡ 八章 髪鬼 33 | 渡夢太郎家の猫

渡夢太郎家の猫

2008年 3月に蘭丸の2度目の子供ができました
これで、我が家は9匹の猫です

魔美が根付をかざすと

まぶしく光った

「鬼がいる」

「光が強すぎる。この店自体が鬼だ外へ出ろ」

礼司が外を見ると髪が入り口を塞いでいた

礼司と山野は刀で髪を切ったが

全然減らなかった

「先生、ハサミどうなりました?」

「さっきから磨いているんだが全然取れん」

「でも、一部分剥がれているんですよね」

「ああ、そうだ」

「ひょっとしたら」

礼司は美容室の棚をあちこち探し回った


「浜田さん空が真っ黒になってきましたよ」

寿々が飛田家の家の上を指差した

「参ったな。まだ十一時三十分なのに鬼がもう動き出してきている」

「向こうで大丈夫かしら?」

由美は心配で胸がいっぱいだった

「苦労しているんじゃないか」

「浜田さんこっちで何か手伝えないかしら兄貴が心配」

「うん・・・」

浜田が考えていると

「あれは?」

由美が指差した方向を見ると

黒い空からロープのような物が二階の窓に向って

降りてきた

「あれは息子の部室だぞ」

「危ないわ、何とかしなくちゃ」

由美が立ちすくんでいると

「浜田さん。は、ハサミが光っている」


礼司は棚にあるパーマ液を見つけた

「こ、これだ!」

礼司が見つけた液体二つを手に持って睨んでいた

「山野どうなっているんだ?」

「1液がアルカリで2液が酸性です」

「なるほど」

礼司はハサミ持ってシャンプー台に置くと

トイレからトイレ用洗剤を持ってきてハサミ

にジャバジャバとかけると

指孔の部分から泡が出ていて

金色の部分が出てきた


「やっぱり」

礼司は完全に金色の部分が出ると

コックをひねってシャワーをハサミにかけた

それを手にるとハサミ全体が

光りだした

「これだ!」

礼司はそのハサミを持って蛇のようにうごめく髪を切った

バサッと足元に落ちる三十本ほどの髪を見て魔美は

「たった、それだけ?」

「あはは、切れ味はいいんだけどこの大きさじゃな」

「何か使い方が違うんじゃない」

「ああ、たぶん」


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