「おい、気を落とすなよ」
「うん、でもせっかくここまで来たのに」
「わかった、食事にするか」
「だって・・・」
「とりあえず後5時間後には何かが起きるんだから」
「うん」
「お母さん今日のところはお帰りになった方が」
浜田がたしなめると
「はい、おかげさまで手がかりができましたから、ありがとうございました」
母親は答えた
「いいえ、意外と今晩見つかるかも知れませんよ」
「死体でな」礼司は小さな声で言った
礼司と魔美と浜田と真理子はしゃぶしゃぶの食べ放題の店に入った
「真理子さん大丈夫なの?」魔美が不機嫌に聞くと
「ええ、もちろん今日はオフだし連絡があるかも知れないでしょ」真理子は礼司に向かって笑った。
「はい、ありがとうございます」
「解かっていることをまとめると、タバコがマールボロ
・ライト・メンソール・ボックス
香水がブルガリアのアクア、顔は解かっているし、勤め先は渋谷の居酒屋だ、そして歩きながらタバコを吸う男」
「それから」
「鬼が現れたのは母親の生霊が原因じゃない」
「解かるの?」
「ああ、それと亡くなった達也君でもない」
「じゃああの親子との関連はないの?」
「いや、ある」
「どういう意味?」
「浜田、もう一回達也君の亡くなった辺りで人が死んだか調べてくれないか、二ヶ月前くらいの」
「解かりました、すぐに」浜田は席を立った
「魔美、食事が終わったらナイルを連れてきてくれ」
「はい」
「夜野さん、居ました」
「一ヵ月半前に男が殴られて死んでいます」
「犯人は」
「まだ捕まっていません」
礼司が目をつぶってしばらくすると
「よし、見えた」
「なにが?」
「達也君が苦しくてもがいた時首傷から出た血が男の地縛霊にかかったんだ」
「うん、うん」真理子は体を寄せてきた
「死んだ男はタバコを吸っていた男に注意をして殴られた」
「なるほど」
「その男は」
「あいつだ!!」四人は口をそろえていった。
「でも、どうして他の男が死んだのですか?」
「やつはこの3日間渋谷に来なかった、代わりに同じ条件の男の肺を食った」
「そうか!!」
「おお、もう7時だ、浜田、魔美を頼む」
「はい」
魔美と浜田は中野に向かった
「夜野さんと二人で捜査ね」
「ああ、調査ね、民間人だから」
「うふふ、変な所にこだわるのね」
「まあね」
「そう言うところも好き!」
「おれ?」
そこに真理子の電話がなった
「真理子さん」
「はい」
「男がわかりました」
「ありがとう」
「居酒屋 星の雨の従業員で小島です」
「ありがとう」
真理子は礼司に向かって「夜野さん解かったわ」
「おお、どこだ」
「星の雨」
「よし、行こう」
礼司と真理子は居酒屋星の雨に向かった
「えーとこのビルの7階だわ」
「うん」
二人がエレベーターで上がり扉が開くと
「いらっしゃませ」男の元気な声が聞こえた
「あっ、すみません。客じゃないです」
「はい」
「この男性知りませんか?」礼司はビラを見せた
「はい、うちの従業員です」
「ちょっと話があるんですけど」
「ああ、今日は休みです」
「ああ、そうなんですか?連絡先は?」
「あのう、警察の人ですか?」
「いいえ」
「じゃあ、お断りします」
「そりゃそうだ、お邪魔しました」
礼司は素直にあきらめた。
「私が聞こうか?」真理子が言った
「いいよ、俺達警察じゃないから、これもやつの運命かも」
「でも、渋谷にいるんでしょ?」
「うん、休みだから帰ったかも知れない」
「そうだね」
「でも、まずいなあ」
「えっ?」
「他の被害者が出てくる可能性がある」
「鬼の?」
「うん」
つづく