地獄タクシーⅡ ② | 渡夢太郎家の猫

渡夢太郎家の猫

2008年 3月に蘭丸の2度目の子供ができました
これで、我が家は9匹の猫です

その夜、12時に鎌倉鶴岡八幡の交差点で、

江ノ島方面から来た車が鳥居前の

参道の石垣に衝突して運転手が死亡した。

現場検証をしていた警察官は

「相当飲んでいたな」

「ああ、ノーブレーキだ」

パトカーの赤いランプがむなしく光っていた。


翌日の12時には横浜横須賀道路の

日野付近で側壁に激突して死亡事故が起きた


3日後の12時には第三京浜の保土ヶ谷で

中央分離帯に激突しての死亡事故が起きた


4日後11時には第三京浜の玉川IC

側壁に激突して死亡事故が起きた


翌日、ラジオのニュースでは

連続飲酒運転の交通事故死を報道していた。

ラジオでは聞いていた礼司は

「おいおい、同じような事故ばかりだな」

そうつぶやいた。

その夜12時過ぎ、礼司が多摩川からの

帰りに246号線を渋谷に向かって

走らせていた。


駒沢の交差点に来た時、

脇に並らんだ黒い車の運転席を

何気なく見ると、ぼさぼさ頭でつり上がった

目の女性がハンドルを胸に押し付けるように

握っていた。

「おお、怖い」

礼司が言い終わるか無いかの時

その車は急発進して凄い勢いで

交差点の中に入った。


そして向かいから来た車に

接触して電柱に激突した。

「ガシャン」と凄い音とともに車の

ボンネットに電柱は食い込み

白煙を上げていた

「ああ、やっちまったよ」

礼司はその車の運転席を見ると

エアバックに首を突っ込んで

いるのは男性だった。

「あれ?男?」


礼司はタクシーをしばらく走らせると

「これって鬼の仕業じゃないか!」

そうつぶやいた。

翌日、礼司はジャパンテレビの

報道局の後輩水野に電話をした。


「しばらく、水野」

「夜野さんお久しぶりです、

今はどこで?」

「ああ、タクシーの運転手

やっているよ」

「ええ?もったいない、

夜野さんならどこでも」


「まあいいよ、それより

神奈川の飲酒運転死亡

事故って変じゃないか?」

「ああ、そうですね、

毎晩ありますね」

「うん、そして昨日も

駒沢であって5日連続だろう」


水野が地図を見みながら

「そ、そうですね鎌倉

から東京へ順番に」

「な」

「でもだからと言って、

我々は週刊誌じゃないから

飲酒運転死亡事故の謎なんて

特集は組めませんよ」


「それで、その事故のあった

車の色分かるか?」

「えーと、ちょっと

待ってください」

水野はそばに居た

アシスタントにメモを書き調べさせた


「夜野さんどこか制作会社紹介します

から戻ってきてくださいよ」

「そうだな、そのうち飲もうぜ」

「はい、おごりますよ」

「サンキュー」

「分かりました。

全部黒です。車種が・・・・」


水野が声を詰まらせた

「どうした?」

「みんな同じ・・・です」

「4つの〇だろう」

「は、はい」

「あはは、そうだよな。

分かったありがとうな」

「あ、夜野さん何か

知っているんですか」

「誰も信じないよ」

「え?」


「それと、方南町のひき逃げ事故」

「ああ、1ヶ月前の小学生が

死んだ事故ですね」

「うん、あれ母親がビラを作って

目撃者探しをしているぞ」

「そうなんですか」

「特集組んで協力してくれよ、

それなら現実味があっていいだろう」

「はい、検討します」

礼司は電話を切ると

「鎌倉からこっちへ向かっている、

あの霊園で感じたものか?」

「魔美どうする。鬼だとしたら

俺一人じゃ退治はできないぞ」


つづく