獣医鷹子12 | 渡夢太郎家の猫

渡夢太郎家の猫

2008年 3月に蘭丸の2度目の子供ができました
これで、我が家は9匹の猫です

葬儀を終えた鷹子と

里佳子は帰りの新幹線中にいた。

鷹子は御神に電話をした。

「鷹子です。ちょっと

調べて欲しいんだけど」

「なんだ、怒っているのか」

「うん、まあね。仁にじゃないよ」

「うん、なんだ」



「マンション業者調べて」

「うん」

ウインザーマンション」

「おお、最近伸びてきた業者

だな調べておく」

「お願い」

鷹子は青森から直接新幹線で

東京駅に着いた

そして鷹子は東京駅前


ウインザー本社に向かった。

受付を通ると応接室へ通される途中


見た目はとてもいいスーツを着ていたが、

うさんくさい営業マンがいた

「さっき電話した藤木ですけど、

責任者の方いらっしゃいますか」

奥の部屋から縞のダブルのスーツを着た


60歳前くらいの男が出てきた

「はい代表の加藤です」


「私は藤木と申します。

おたくが販売した千石グランドマンションの

件で聞きたいんですけど」

「住人の方ですか?」

「いいえ」

「どのようなご用件ですか」


加藤はにやけ顔で言った

「部屋がカビだらけでみんな

困っているんですよ」


「えっ、そう言う話は

聞いていませんが」

「メンテナンスも

おたくがやっているんでしょ

聞いているはずよ」

「ああ、うちの関連会社の


ウインザーメンテナンスですね」


「わかりました。調べておきます」

「ところで藤木様はどのようなお仕事を?」

「私は獣医ですけど」

「ほー、獣医さんがどうして?」

「マンションで飼っているペットが

みんな病気にかかっているのよ、

ハウスシック」


「ああそうですか。

これからは住人の方と一緒に

来ていただけますか、

無関係の人にあーだこーだ

言われても返事のしようが

ありませんから」


「そうですね。失礼しました」

「よろしくお願いします」

「今度は住人の意見を集めて

文書でお渡しいたします」

鷹子は笑った

始終、慇懃無礼な態度だった

加藤の顔が見る見る変わった。

鷹子はウインザーを出ると

御神に電話をした。

「着信があったみたいだけど」

「おお、ウインザーね。

問題多いよ。従業員が強引で」

「うん、そう言う感じだった」

「社長も一営業マンからの成り上がりだ」

「そうそう、そう言う感じ」

「最近急に業績が伸びていて、


3年で10倍年商500億を上げてる。

どうやら、松尾組

の資金を使っているらしい」

「やくざか」

「気をつけろよ。

下手したら狙われるぞ」

「早く言ってよ

もう狙われているかも」

「おい、今どこだ」

「東京駅」電話が切れた。

鷹子は3人の男の黒い

ワンボックスカー押し込まれ、

両手をガムテープで巻かれた。

「静かにしろ」

つづく