獣医鷹子 11 | 渡夢太郎家の猫

渡夢太郎家の猫

2008年 3月に蘭丸の2度目の子供ができました
これで、我が家は9匹の猫です

「そう言うと思っていたわ、

じゃあ明日の朝702分の『はやて』ね」

「そんなに早いの」

「そうよ」



次の日の朝、上野駅の20番線ホーム

へ二人鷹子達が走りこんだ

「ああ、間に合った」

「お母さん早すぎ」

「これでも、八戸に着くのは10時過ぎよ」

「そうか」



上野駅を出発した『はやて1号』は

あまりスピードを出さず途中高架に上がり、

窓から外を眺めた鷹子は叫んだ。

「ああ、お母さん田端駅が見えるよ」

「本当だ、源太郎さんが

亡くなったところが見えるわ」


ユウが仁の部屋に入って来た

「おはよう」

「寝なかったのか」

「ありがとう大丈夫。

鷹子さんに調べてももらった


彼女の愛人、前田敬は今年の3月に死んだ


COCOのオーナーで、亜子さんは遺産として、

今の店ともう一店、

現金5億円を受け取っています」

「なるほど、遺族には?」

「それがいなかったのよ、

それで色々手を尽くして

全財産を受け取ったみたい」



「なるほど」

「相当まじめな人らしいわ

「では、後ろで糸を引いて

いる人はいないな」仁が言うと

ユウは「うん、彼女の父親の事は事実よ。


借金を全部返しているし、

高校を中退して朝晩働いて、


18歳になって昼は運送会社、

夜は水商売、土日は風俗。

「えらいなあ」


大検を受けて大学も卒業、

そこで前田敬に見初められ


COCOのホステス兼

マネージャーになったの。

それからCOCOの売り上げ


アップしたわけ」



「ママにはならなかったのか?」

「ええ、年齢的な事もあったけど

経営のほうが向いていたみたいよ。

ママを影で動かす立場だから」

「かなりのやり手だね」

COCOの売り上げが

月商1億年商12円。


人件費、経費が70

として36千万円とソープも

それくらいだから年間7億は手元に

残るわけでしょ。いいわね」



「わかったありがとう。

相変わらずユウのデータベースと

情報収集力はすごいな、

これでプランを考える

それと稲元ってそんなに悪いやつか?」



「うん、半端じゃない。しかも女癖が悪くて」

「わかった、この仕事引き受ける」

仁は親指を立てて自分の部屋に入った。

八戸の葬儀場で里佳子と早苗は話した。

「このたびはご愁傷さまです」

「ありがとうございます。

こちらが、娘夫婦です。」

吉田晴美と吉田守男が挨拶をした。

晴美は神経質そうでちょっとやつれていて


守男は体格が良くがっちりしていた。

「ねね、鷹子あの二人が

源太郎さんの娘夫婦だって」

「ふーん、だんなさん。

何の仕事をしているんだろうね」

「警備会社に勤めているんだって」

「あまり、まじめそう見えないけど」

「そうね」