第67回別府大分毎日マラソン、通称“別大マラソン”に初めて出走してきました。
結果は2時間59分49秒。
ギリギリでサブスリーを達成する事が出来ました。
僕はこの1年間、『別大でサブスリー』を目標に据えて、日々のランニングに取り組んできました。
目標が達成できて本当に嬉しく思います。
晴天とはいえ寒風吹き荒む中での歓喜のゴールから二晩明け、ようやく冷静に振り返る事が出来そうです。
長文ですがお付き合いください。
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前日午後、福岡から高速バスで別府入りし、ビーコンプラザで選手受付をしました。
天下の別大。
もっとピリピリした雰囲気かと思っていたら、ボランティアスタッフや運営スタッフの方々の歓迎ムードに触れ、緊張していた気持ちがずいぶん和らぎました。
別大は一般参加では全部でカテゴリーが4つに分かれており、僕のような“サブ3.5ランナー”は一番下位のカテゴリー4に属します。
当然受付もカテゴリー4に回されます。
受付では首から下げるIDカードを手渡されました。
そのカードには「カテゴリー4」と記されています。
ちなみにサブスリー以上のランナーの首にはは「カテゴリー2・3」と記されています。
走る前から気が早いですが、来年このカテゴリー3のIDカードを首から下げる自分をイメージしました。
受付会場のビーコンプラザのホールに設置している「ランナー広場」では、豊後牛を使ったカレーライスやとり天など地元ならではの名物料理のブースが軒を連ねていました。
僕はもう1人のランナー仲間と一緒にカレーライスをオーダーしました。
外は曇っているものの気温はそれほど低くない、まさにマラソン日和の天気。
この天気が明日ならばどれほど有難いことか。
しかし、明日の天気予報は雪。
しかも予想最高気温は「2度」!
明日は覚悟を決めないといけません。
いつも練習や大会で一緒になるランナー仲間数人としばらく談笑した後、集合写真を撮り、明日の健闘を誓い合い、別れました。
日が落ちる前にホテルにチェックインしました。
ちょうど別大のコースの折り返し地点付近のホテルだったので、明日のために試走をしてみました。
陸橋の傾斜を上り下りしてしばらくすると第1折り返し地点があります。
でもこの前半の傾斜は苦にはならないだろうと目処をつけました。
それよりも35㎞付近に現れる第2折り返し地点の三海橋の傾斜の方が間違いなくこのコースの肝になると、まだ知らないその場所を思い巡らしました。
この日の夜はコンビニ弁当とカップうどんでカーボローディングしました。
翌日は12時スタートと遅い時間なので、慌てて寝に入ることもないだろうと、眠くなるまでテレビを観たり、パートナーと電話をしたりしながら、ゆっくりとした時間を過ごしました。
普段通りで変わらぬいつもと同じ夜でした。
睡眠もたっぷりと取り、大会当日の朝になりました。
ホテルの部屋の窓のカーテンを開けると、雪がしんしんと、いやかなり強く吹雪いています。
「大会中止になるんじゃないのか」
そう思えても仕方ないぐらいの悪天候でした。
憂鬱な気分で朝食を食べ、ホテルをチェックアウトした頃には雪は小康状態になりました。
ラッキーでした。
大会バスが出る場所まで向かうための路線バスの停留所に着く頃には青空も覗かせてくれていました。
「今日はもらった」
勝手に一人でニンマリとしていました。
しかし、低温と寒風は相変わらずでした。
我々ランナーを乗せた大会バスはスタート地点「うみたまご」までやってきました。
すでにランナーがたくさん集まっています。
更衣テントもカテゴリーごとに分けられ、僕らカテゴリー4のランナーは、山側まで歩道橋を渡らされました。
ここでも、来年は海側で着替えてやると反骨精神が芽生えました。
更衣テント近くには行列が出来ていました。
大型バスで着替えるための行列のようで、僕も列の最後尾に並びました。
寒風が隙間から入ってくるテントよりも、密閉された暖かいバスの車内で着替えて待機したいと思うのは、当然でしょう。
しかし、期待に反してなかなか列が進みません。
どうやら先にバスに入ったランナーが出てきてくれず、席が空かないようです。
途中からバスの車内では着替えのみで待機しないようアナウンスが入り、行列を成していたランナー逹は諦めて更衣テントの中へ入っていきました。
このテントで後2時間程度待たなければいけません。
外は気温3度、風が1メートルと場内アナウンスが入りました。
当初の予定よりいくぶん寒さが和らいだようですが、それでもかなり寒いのには変わりありません。
今回はかなりの冷え込みが予想されていたので、防寒対策を完璧にしました。
まず、ワセリンを全身に塗りたくりました。
これで冷たい風に直接肌をさらす事はなくなり、ワセリンの薄い膜が寒さから身を守ってくれるはずです。
さらにラップをお腹から胸にかけてグルグルと巻きました。
これが思いの外当たって、巻いた瞬間から全身がポカポカとしてきました。
このラップ作戦は一緖に別大に出るサブスリーのランナー仲間が自信を持って推奨してくれた寒さ対策でした。
初めてです、ラップ。
それとミニカイロをランパンの尻のポケットに忍ばせました。
ゴミ袋を改造した自作ポンチョや、長年愛用のレッグウォーマーも被り、ランニンググローブも二重に重ねてもう完璧です。
ランナー仲間とテントの中で待つ事1時間。
ようやく荷物を預ける時間になりました。
僕とランナー仲間は自衛隊のトラックに荷物を預け、ウォーミングアップをし始めました。
軽くランニングをしているうちに知り合いのランナーがに次々と会い、お互いに無事ゴール出来るよう声を掛け合いました。
いつもだったらスタート前には仲間と一緒にはしゃぎながら写真を撮るのですが、今回だけは別でした。
心静かに“その時”を待ちたい。
この日はそんな気分でした。
さて、別大マラソンでは、スタート前のラインアップの順番が厳格に定められています。
自分に与えられたナンバーカードは、何列目の何番目に並ぶのかを事前に確認しておく必要があります。
ラインアップ中に服装などのチェックがされるとのことです。
ラインアップが完了すると、スタートまであと15分となってきました。
僕らカテゴリー4のランナーは当然ながら、カテゴリー3の後ろにつかされます。
同じカテゴリー4でも、陸連登録者が先に未登録者は後に並ばなければなりません。
僕は陸連登録者なので、前に並びました。
周りは、僕とほぼ同じ走力のランナーばかりです。
寒いものの、幸いにもランナー逹の集団の真ん中に位置していたのでいくぶんでも寒さが凌げたのではないかと思います。
いよいよスタートまで1分前となってきて、嫌が応にも気分は高鳴ります。
冷静に、冷静に。
いつも通りにサブスリーペースの4分15秒/kmを淡々と刻めば良いのだ。
そう自分に言い聞かせ、静かにスタートの号砲が鳴らされるのを待ちました。
(続く)
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