2014UTMB 完走記⑨
アルヌーバに到着して、『さて、ここから最高地点へのアタックか』と
気を引き締めて進んだ。
確かに登っていくが、意外にもそんなに凄いとは思えなかった。
グランドコルフェレに登ったときには、それほど感激はせずに
次のシャンペ湖を目指した。そのうちに暗くなってきて、ラフーリの
エイドでは二晩目に突入した。
かなり疲れて来ているのが自分でもハッキリ自覚できてきた。
フェレ峠からは、下ってきたのだが眠気も増して来た。
下りきったところの施設エイドで紅茶を頂いたが『だめ』。
そして登り始めた。先が見えない。かなり危険な場所もあり、
眠気でゆらりと揺れて、落ちたら一巻の終わりのような場所も通過した。
湖なのに登っていく。登れども先が見えない。
二人に『少し眠らしてくれ』をお願いして、コース上で横になった。
しかし、5分もしないうちに起き上がった。眠たいのに寝れない
状態だった。そんな状態のまま進んだ。コース案内の方がいて
「10分程度」と言うので進んだが20分以上かかってシャンペ湖の
エイドに入った。ここでもあまり休む時間はなかった。
しかし、何かを口に入れておかないとハンガーノックになってしまう。
そんなことを考えながら、食べ飽きたバナナやスープを口に入れた。
大田さんもかなり疲れていて、食べられない状態だった。
私も疲れていたが大田さんに「何かを無理でも食べておいた良いよ」と
声をかけた。そして、彼を少しだけ眠らすようにした。
御門だけが元気だった。
そして、重い足をひこずりながらシャンペ湖を後にした。
御門が「先生、残す山は三つです。完走しましょう」と声をかけてくれた。
なかなか、眠気が抜けない状態でふらふらしながらトリエンを目指した。
このエイドで夜が明けて、白みはじめた。
私もかなり疲れていたが、ここでも大田さんを少しだけ寝かせるようにした。
10分くらいだろうか、起こしてすぐに次の山へ向けてリスタートした。
登り始めて、下ってくる日本人に会った。それが何と神戸から参加の
宮下さんだった。聞くと走っていると上半身が揺れて危ない状態だと
言っていた。何かあっても危険だし大会側にも迷惑をかけるので
リタイアすると言うことだった。悔しいだろうが賢明な判断だと
思う。「十分気をつけて下山して下さい」と声をかけた。
この山がなかなかピークが見えずイライラした。一緒の御門も
「先生、もう少しです」と気休めの声をかけるのでよけいに
腹が立った。霧が出て、小雨が落ちてきた。
今度は、登り切ったと思うとトラバースするので「どこにエイドがあるんだ」と
思っていると下りだした。「どうなっているんだ」とイライラした。
すると、エイドではなくチェックポイントがコース上に現れた。
「何だ、こういうことだったのか」と安心もしがっかりもした。
そこから、とにかく次のエイドを目指した。
下りだったので、膝への負担も気にしながら走った。
常に御門が先行してくれて引っ張ってくれた。
下りきったところは何とクールマイユールだった。
「え、どうして?」と言う疑問が湧いたが、それどころではない。
時間がない状態だった。大田さんがエイドに入ってくるのを待って
すぐに、最後の山に向けてスタートした。
続 く