古いハンカチの縁がほつれてボロボロになっていたので、さすがに捨てることにした。
捨てる前にふと気付いた。

黒いシミがある。
これって…これって…
思い起こせば29年ほど前、漫画原稿のべた塗りしてた時にポタッとこぼした墨汁だ!
血液と墨の汚れは普通の洗濯ではなかなか落ちないとは聞いていたが、30年近くにわたり無数の洗濯機の回転の中を生き抜いてきたのだ、この墨汁の汚れは!
…これがほんとの黒歴史だ。
さらに驚くべきは、毎日使っていたわけではないにしろ、このハンカチを30年近く使い続けたこと。
「君に涙は似合わないぜ、これで拭きなよ…」
…とか言って、墨汁シミつきハンカチを手渡されて困惑した美女の人数を思い返すと自分でびっくりだ。
記念に保存しておこうかとも思ったが…やっぱり捨てよう、ボロボロの木綿のハンカチーフ。
涙がこぼれないように上を向いて日清焼そばを土曜朝から食べる私であった。

じゃまた。