老若男女問わず、一人でいるときに人は屁を我慢しない。
自宅で一人なら、どんな貴公子でも美少女でも盛大に放屁する。
取材して統計をとったわけではないが、おそらくそうだと思う。

一人で遠慮無く放屁すれば、たいていは小気味良い音が響くものだが、稀に音がしなかったりする。
すかしたか?と自問自答するが、感覚的にはどうも違う。

奇妙な違和感を感じていたところ、放屁から遅れること30秒、「ぶぶっ!」と放屁音だけが聞こえた。
もう一度放ったわけではない。
あたかも、さっきの屁の音だけが遅れて聞こえた感じなのだ。

これは妖怪おくれべの仕業である。

おくれべは、屁の音だけを吸い取り、一定時間経った後、あらためて響かせる妖怪だ。
何のためにそのようなことをするかは定かではない。

ただ、状況によっては屁と音のタイムラグのせいで赤っ恥をかくこともありうる。
誰もいないと思って羽目を外し過ぎるな、と教えてくれる妖怪なのかもしれない。

ではまた。



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