古いワインを開けようとワインオープナーを取り出す。
コルクを壊さないように、慎重に慎重にやっていると、突然見えない何かがワインボトルの上の手を、トンと叩く。
中途半端に螺旋を切られたコルクがストンと瓶の中に落ちてしまう。
…このがっかり感はでかい。
砕けたコルクを混ぜないように茶こしでグラスにワインを注がないといけないやら、瓶の中でコルクの位置が動いて突然ドバッと流れるワインがグラスから溢れるやら…。
これは妖怪コルク落としの仕業だ。
コルク落としは、古いコルクにしみ込んだワインを吸う妖怪である。
どっぷりワインに浸かっているコルクの方がおいしいらしく、隙あらば瓶の中に落とそうとする。
コルク落としの被害にあわないためには、古いワインなんかは前もってしっかりと横にして、コルクにワインをあらかじめ吸わせておくことだ。
そうすればコルク落としは手を出してこないし、そもそもコルクが崩れにくい。
心がけよう。
それではまた…