実は、何を隠そう禿を隠そう、この土日はグダグダに休日出勤した。
こんなことではいけないいけないと思いつつも、真面目で無能な私が世間についていくには必要悪なのである。
さて、その日曜の帰り道のこと。
事務所を出て、少し歩いたところで、女性に声をかけられる。
(客引きではない。)
正直、最初は誰だかわからなかったのだが、話を聞くと、かなり以前に仕事でご一緒した人だった。
こちらもようやく思い出した。
彼女が偶然うちの事務所の前を通ったら、ビルの看板に見覚えのある社名が出ていて、「大阪の事務所がここだったんだ~」とか思っているところへ、通用口から私がひょっこり出てきた。
それでついつい声をかけてしまったんだそうな。
彼女は、イベント関係の仕事がこの土日に大阪であり、これから新幹線で東京へ帰るとのこと。
お茶や食事する時間は無いので、新大阪の駅まで懐かしい話などしつつ歩いた。
実は、彼女は今日のイベントを最後に会社を辞めるそうだ。
次の仕事は…何と「占い師」!
それほど若くも無いのに(失礼!)思い切った転職しなさる!
別れ際に、「当たるも八卦、当たらぬも八卦ですよ!」とケラケラ笑いながら、きれいに折りたたんだ紙を私に手渡し、足早に改札の向こうに消えていった。
元々占いや予言の類は好きなのだが、最近はとんと興味が無い。
まして、「知り合いで、これから転職する占い師」である。
“あなたのラッキーカラー”とか“吉兆の方角”とか、当たり障りの無いこととHPのURLあたりが書いてあるに違いない…と思っていた。
帰宅して夜に紙を開いた。
これだ。

…背筋が寒くなった。
彼女と「偶然」出会ってから別れるまで、立ち話と歩き話のみだ。
入力やら紙出力やらしてる暇は無い。
仮に、見えないようにこっそりスマホで入力したとしても、紙出力して折り曲げる装置も隙も無かった。
内容も驚いた。
もちろん推測や妄想でも書けるかもしれない。
もちろん偶然の一致かもしれない。
しかし、抽象的だったり、具体的だったりはしているが…全部当たっている。
8行目の「長い文章」…確かにこの記事、いつもの数倍の文字量だ。
『明日』以降は何だろう。
仕事で大口の注文取れた直後にインフルエンザでも発症するのか?
明後日の「違う場所」?
…病院?
ちょっと待った。
明後日以降が見えないって、まさか…???
このあと、「恐らく良くないであろう運命」への対処方法が書いてあった。

…こんなことで、災厄を免れられるのか?
そして、その「道標」の最後の文章はこれだった。

…すいません。
全部嘘です。
4月1日です。
(真っ赤な嘘です。)
…じゃまた!