七人掛けの電車の座席。
六人の乗客が座り、丁度真ん中に、あと一人座るにはちょいと狭い、微妙な広さの隙間があった。

とても痩せた女がやってきた。
少女のように細い女だったが、それでも座れるか座れないかのギリギリの隙間。
しかし彼女は、やや無理矢理に座った。
両隣のオッサンは、無表情に少しずつ座位置を調整し、きつめではあるが何とか七人が収まった。

…と、思ったら、急にきつくなった。
それも、もの凄い勢いの圧迫。
そもそも、座席は七人掛けの設定で、おまけに最後の一人は痩せた女。
一体何が…と、女を見たオッサンは度肝を抜かれる。

最後のか細い女が、力士真っ青の巨体になっている!
オッサン、驚きと圧迫の苦しさで、遂に座席から立ち上がってしまった。

…七人掛けの座席にゆとりができた。
すると、あんなにも巨漢だった痩せ女は、見る見るうちに元通りの体に戻り、立ち上がったオッサンは目をパチクリ。


これは、「妖怪おいぶくれ」である。
ほどほどの混み具合の電車やバスに現れることが多く、満員電車にはまず出ない。
きっと、混んだ乗り物が嫌いなのだろう。


それはそれとして、電車の座席はみんなのために詰めて座るのがマナーである。


それではまた…



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