【2007年11月】
気付いたら、空が回っていた。
いや、空は一瞬で、ほとんど道路と景色が回っていた。
人は最期のときに走馬灯とか言うけど、とりあえずそれは無かった。
ただ、思った以上にリアルにくっきりと景色が見えたのは意外だった。
この三連休、私は山梨は石和温泉の、とあるユースホステルに宿を取り、例によってソロツーリングに出かけた。
朝五時起きで(本当は四時の予定だったが寝過ごした)、自分ルールに則り、高速は一切使わず、ひたすら青梅街道を西へ。
心配された単車の調子も上々(夏の原因不明の不調は何だったのか?)、奥多摩湖を越え、快調に大菩薩ラインを駆け上るYD250。
左の上りヘアピンに差し掛かったとき、コーナーの一番内側の路肩に、バイクが2台と人が3人いることに気付いた。
何かトラブったのかな?それにしてもそんな所にいなくても・・・と思いつつ、必要以上に減速して(時速20km/h以下だと思う)コーナーにさしかかり、左に軽くバンクさせた。
そしたら、日記の最初のくだりになった。
こけた。リアが驚くほどスムースに滑り、単車は左に寝転がり、私の左膝を支点に180度回転してSTOP。
幸いにして後続車は無く、コーナーにいた面々の助けも借りて路肩へ避難。
ダメージは、左膝と左手首を擦り剥いただけで、単車もとりあえずミラーがあさっての方を向いただけ。
しかし、実は中免歴14年にして初転倒(学生時代に原付でダートでの一人ごけ・教習所での八の字ごけ・坂道の天辺でいきなり通行止めパニック立ちごけという例外有り)で、心のダメージは想像以上にでかい。
まして、今回は「減速不足だ、やべ~」とか「寝かしすぎた、やべ~」とか、自分で原因がわかる状態でなかったので余計に混乱。
実は、コーナーにたむろしてた3人の内の1人が、直前に同じポイントで転倒したそうで、原因は路面にかなりの量のオイルがこぼれていたためとか。
彼らの転倒後、私の前にも一台、ビッグスクーターが一回転してったそうで。
後からくる単車に、注意喚起のため(と、自分達の立ち直りの時間過ごしのため)にそこにいたそうだ。
と、言ってる先から、何台もの単車がヘアピンに差し掛かる。
私を含めた4人は、必死に両手を下に向けて、減速しろとジェスチャー。
数台がいぶかしげに無事通り過ぎ、2台ほどコーナー手前で一旦停止したあと、YAMAHAのリッターバイクが私と同じところに差し掛かるや、大転倒!
みんなで助け起こし、路肩に引っ張り上げる。
このライダーも、幸いにして怪我は無く、単車もクラッチレバーの先が折れただけで、何とか自走可能。
思えば、この3人がいなかったら、私もあと10~20km/hは余計に出してただろうから、今ごろ何処にいたものやら。
普段1人でしか出歩かないけど、ライダーつながりに心強さを覚えた私だったものよ。
そして、日本の(日本だけじゃないだろうけど)道路・交通ってのは、本当に単車に優しくないな~と、てゆーか、単車は自分に落ち度が無くても難儀に陥ることを痛感。オイルをものともせずに走り行く4輪を眺めて思ったものでござる。
ちなみに件の3人の内の1人(こけた子・KAWASAKI乗り)は、クランクケースにひびが入り、軽くオイル漏れしたそうな。
ほどなく別れたが、無事に旅できたのだろうか?
なお、タイトルの副題が何のことかは・・・あなたにはわかりますよね?