地下鉄の階段に、女性が逆さまになっていた。
…逆さまと言っても、逆立ちしているわけでも、天井から垂れ下がっているわけでもない。
(そんなのに出会ったら即引き返している)
『階段でこけて、頭が下になっているカエル状態』で伝わるだろうか?
そんな女性をほっとくわけにもいかず、死人だったらいやだなあと思いつつも、一応声をかける。
「大丈夫ですか~?」
…返事は無いが、動いてる。
生きてる。
カエルの肩たたいてみた。
「大丈夫ですか~?」
「…大丈夫じゃないです~」
…俺みてえなやつだな。
てゆーか、ただの酔っぱらいだ。
(死人でなくて良かった)
「あの~、ここで寝てたらあなた階段落ちますよ(てゆーか、邪魔です)」
「○❤×△★?」
…ダメだ、泥酔女だ。
とりあえず、手を引っ張って、ケツを支点にシャルウィダンスよろしく、くるりと回して、階段に座らせた。
…見るとそれなりに美人。
(ただし超泥酔ヅラ)
階段の下の駅員と目が合い、上がってきたので、あとは任せることにした。
「姉さん、少し休んでから動きな、いいかい、階段落ちるんじゃないよ」
捨て台詞を残して立ち去る。
師走だ。
…皆さん、飲み過ぎには気をつけよう。
P.S.心霊か妖怪を期待した人には謝罪します。