The Beach Boys:SMiLE
遅ればせながら入手。

壮大なコンセプトで制作にかかるも、ここでは書ききれないような種々の状況の中、お蔵入り。
その後、Smily Smile以降のアルバムで、中途半端に、でもそれなりにお化粧したものが放出され、数々のブートレグが流れ出たあと、長い時を経てオリジナルセッションの音源がリリースされ、復活したBrianが2004年に再現し…伝説は終わったと思っていた。

ところがこの2011年11月に、「完成品」として今手元にある。

ウチのしょぼい再生機器から流れる“a teenage symphony to God”の微笑は、機器のスペックを越えた圧倒的な音で私に降りかかる。

これは…音で、声で、音楽だ。

1967年に発表されていたら、もしかしたらPet Soundsを越える大コケで、バンドが崩壊していたかもしれない。
もっとも、代わりにBrianが崩壊してしまったのだが、そのこと自体は今さら考えても仕方がない。

今回のSMiLEは、1967年の本来の到達点(それは有るのか無いのか難しいが)とも、Brian版のSMiLEとも違うのかも知れない。
それは、トータルアルバムであり一大叙事詩だが、Pet Soundsと比べて散漫な印象がある。
いや、Pet Soundsと比較すること自体がとんでもなく見当違いな気もする。

私は英語ができない。
おまけにThe Venturesに鍛えられたおかげで、歌詞を聞かない習慣が身に付いている。
ライナーの訳詩は読めるが、それでは音を聴く上で本当に大切なことの1~2割しかカバーできない。
1967年の私は記憶も無いようなガキだったから、スーベニールとしてSMiLEを聞くことはできない。
もしかしたら、何度聞いてもSMiLEを理解することなど私にはできないのかもしれない。
聞けば聞くほどそんな恐怖が強くなってくる。

でもここには、今、意欲的に活動を続けるBrianにすら、けして出せない声がある。
今は天国(多分)にいるDennisやCarlの声がある。
当時だけではなく、今でも驚くような音が天才の手によって紡がれ、天使の声と調和している。

そんなシンフォニーが、「完成品」として今手元にある。
愛とか平和とかいう言葉ではなく、微笑みなよとBrianが言っている。


これを聴いて感じるものが無ければ、微笑むことができなければ…
私はこれ以上音楽を聴く必要はない。





…すいません、2枚組のデラックス・エディションしか買ってないクセに、少々気合入りすぎました(笑)




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