ふと気づくと、いつの間にやら左腕に少女がしがみついている。
いや、確かに少女なのだが、生きた人間にしては微妙に小さい。
それに、腕にぶら下がっているにも関わらず、重さを感じない。
むしろ感じるのは「軽さ」だ。
それに、腕にぶら下がっているにも関わらず、重さを感じない。
むしろ感じるのは「軽さ」だ。
明らかに人の姿をしたものがしがみついているのに、左腕は上へ上がろうとして仕方がない。
これは、妖怪きっくるの仕業である。
きっくるは、少女の姿をしてはいるが、よく見ると猫のような長いヒゲが何本も生えている。
あれっ?と思った瞬間、きっくるは「みゅううぅ」と鳴く。
…それだけである。
噛みついてくるわけでも、ペロリとなめるわけでもない。
噛みついてくるわけでも、ペロリとなめるわけでもない。
ただし、これは噂に過ぎない。
実はきっくるに遭遇した人間の正確な記録や報告というものが無いのだ。
実はきっくるに遭遇した人間の正確な記録や報告というものが無いのだ。
きっくるに出会った人は、例外無く●が●ってしまっているのである。