妖怪伸び垂れ女

忙しいときやイライラしてる時に限って、要領を得ない電話がかかってくるものである。
段取りが悪いのか、そもそも頭が悪いのか、はたまた本当に込み入った話なのか知らないが、無駄に話を繰り返したり蒸し返したりする電話は頭にくるものだ。

そんな時、つい頭に血が上って、

「だから、どうしろっつんですか！？」

などと言ってしまったら、急に相手の声色がかわり、持っている受話器(携帯でもいい)が、小刻みに震え出す。

次の瞬間、受話口から伸びて垂れた女の顔がぶらさがって、驚く！

これが妖怪伸び垂れ女である。

その正体は、話を聞いてもらえずに悲しみを内に秘めて死んでいった女の成れの果てらしい。
気持ち悪いが実害は無く、よく見ると伸びて垂れてなければ結構可愛い。
被害があるとすれば、それから先は仕事にならないことか？