残業仕事がさっぱり片付かず、おまけに明日に延ばせないような時のこと。
デスクトップ上に、見慣れないアイコンがあることに気付き、本当はまずいんだけど、ついダブルクリックしてしまう。
すると、ディスプレイ上に解像度の低い昆虫のような画像がフェードインして、オフの筈のスビーカーから何やらボソボソと虫の声が聞こえる。
その虫はカマドウマに似ているが、よく見ると人の顔が付いている。
ジャギってはいるが、人面カマドウマだ。
ジャギってはいるが、人面カマドウマだ。
虫の声は、徐々に人の声に変わり、やがて言葉が聞き取れるようになる。
「やめちゃえ、やめちゃえ、やめちゃえ」
突然、背中に痛みが走った。
激痛では無いが、エンドレスな仕事を続けるモチベーションを失うには十二分な体調不良。
「…いいや、今夜は帰ろう」
激痛では無いが、エンドレスな仕事を続けるモチベーションを失うには十二分な体調不良。
「…いいや、今夜は帰ろう」
こうして、翌日仕事の泥沼に堕ちる男。
これは、妖怪やめちゃえ虫の所業だ。
単にやる気を失わせるだけではなく、実際に身体の調子を狂わせるからたちが悪い。
人を帰したあとは、PC内のバグを食べるらしいので、悪行ばかりの妖怪でもない。
人を帰したあとは、PC内のバグを食べるらしいので、悪行ばかりの妖怪でもない。