休日に、これ幸いと朝寝をしていると、玄関のチャイムが鳴る。
二度、三度、かなりしつこい。
休みの朝から何の用だ!?…と言いたいところだが、時計は9時を過ぎているので文句言う時間でもない。
「は~い」と答え、インターホンに耳をあてるが無音。
ありゃ、留守だと思って行っちまったか?
一応、玄関まで行ってみる。
のぞき窓には誰もいない。
ドアを開けたら、そこには年とった茶色の猫が座っており、寝起きの私の顔見て『にやっ』と笑った。
確かに笑った。
次の瞬間、茶色の猫は“ポンッ”と消えた。
これは、妖怪猫ピンポンである。
…朝ならまだしも、深夜に現れるとタチが悪い。