終電近い時間に、焦って改札駆け込んだら、目の前でドアが閉まり電車が発車。
ああ~ぁ、などと独り言をぼやきつつ、ふと足元を見る、と小学校低学年くらいの男の子がホームにしゃがみこんでいる。
彼はくるりとこちらを見てつぶやいた。
「おじさん、終電行っちゃったよ」
「おじさん、終電行っちゃったよ」
うえ、マジかよ!?と思いつつ、「君はこんな時間に何して…」と言おうとしたら、不思議なことにどこにもいない。
…何だったのかと首をひねりつつ、そのまま改札を出てとぼとぼと階段登りタクシー拾おうとし、ふと気付いた。
待てよ、まだ終電ある時間じゃないか?!
あわてて階段駆け下りて、再び改札に飛び込もうとしたら、駅員がさえぎった。
「本日の最終電車は終わりました。」
…これは、妖怪終電小僧の仕業である。